モザンビーク、中・長期の国家戦略を承認
(モザンビーク)
マプト発
2025年05月08日
モザンビーク国民議会は4月23日、今後20年の長期戦略である「国家開発戦略(ENDE)2025-2044」を賛成214票、反対7票で承認した。さらに、25日には「政府5カ年計画(PQG)2025-2029」を賛成190票、反対26票で承認した。モザンビーク政府の戦略方針はENDEをベースとし、PQGおよび単年度計画の「経済・社会計画と国家予算(PESOE)」に落とし込まれる。
ENDEは、経済成長、社会的不平等の削減、国民生活の改善、インフラ整備、環境の持続可能性、行政サービス効率化の6つの目標を掲げている。また、目標を達成するための5つの柱となる政策方針は次のとおり。
- 「国家の統合、平和、安全保障およびガバナンス」:政府機関の近代化、汚職を含む犯罪、テロの防止と撲滅、国民参加の促進などに重点的に取り組む。
- 「経済構造の転換」:農業、採掘産業、観光業、エネルギー産業の発展を基盤とし、産業化を推進する。
- 「社会・人口動態変化への対応」:人口増加への対応を念頭に、社会的不平等の削減、公共サービスへのアクセス改善を優先事項とする。
- 「インフラ、地域開発」:インフラ投資を高め、各地域機構の強化と資源の効果的な配分により都市・農村開発を推進する。
- 「環境の持続可能性、気候変動、循環型経済」:ブルーエコノミー・グリーンエコノミーの原則にのっとった持続可能な開発を推進する。
PQGは、ENDEで示された5つの柱を踏襲し、直近5カ年での取り組み事項を具体的に挙げている。投資促進においては、農業、漁業、製造業、運輸業、観光業が重点産業となり、税制優遇措置などが検討される。マクロ経済安定化施策の1つとして、天然資源収益の再配分の公平性を促進するとしており、企業との採掘・コンセッション契約の見直しが実施される。エネルギー分野においては、再生可能エネルギー開発による生産の増加と、天然ガスの活用によるエネルギーミックスを推進する計画だ。
(松永篤)
(モザンビーク)
ビジネス短信 2fa63ab797c2f9d7