1~4月の電池出荷量が前年同期比73.7%増、輸出や蓄電システム向けなどが好調
(中国)
上海発
2025年05月20日
業界団体の中国汽車動力電池産業創新聯盟(CABIA)が5月12日に発表した1~4月の電池(注)出荷量は前年同期比73.7%増の403.9ギガワット時(GWh)だった。うち、バッテリー式電気自動車(BEV)などへの車載電池は56.8%増の303.9GWhと、全体の75.2%を占めているが、蓄電システム向けなどは約2.6倍の100GWhと急拡大している。
電池メーカー別の国内搭載量は、寧徳時代新能源科技(CATL)が全体の42.9%に当たる78.7GWhで、首位を維持した。2位以下は、BYDが45.0GWh(シェア24.5%)、中創新航科技(CALB)が10.8GWh(5.9%)、国軒高科が9.6GWh(5.2%)、恵州億緯鋰能(EVEエナジー)が7.6GWh(4.1%)と続いた。
また、1~4月の電池輸出量も、前年同期比83.2%増の83.9GWhと好調で、構成比は出荷量全体の2割を上回り、20.8%に高まった。欧米諸国が中国製BEVなどに対して関税を引き上げたことに伴い、中国自動車メーカーが海外生産を拡大していることが電池の輸出増の一因と考えられる。
中国電池工業協会(CBIA)は5月12日、米国向け電池輸出に係る関税リスクに警鐘を鳴らしている。米中合意で関税が大幅に引き下げられたにもかかわらず、同協会の計算では、米国向け車載電池の関税率が73.4%、蓄電システム向けが55.9%と依然として高く、適切に申告を行って慎重に対応するよう、中国電池企業に呼び掛けた。同協会によると、2024年の中国電池輸出額670億ドルのうち、米国向けは最大の161億ドルで、全体の24.0%を占めた。2~6位では、ドイツ(輸出額106億ドル)、韓国(39億ドル)、ベトナム(39億ドル)、オランダ(26億ドル)、日本(25億ドル)の順だった。
(注)電池とは、主に新エネルギー車、蓄電システム向けのモノを指すが、電気自転車向け、電動工具用電池なども少し含まれている。
(劉元森)
(中国)
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