第1四半期の実質GDP成長率は前年同期比2.3%、市場予測上回る

(チリ)

調査部米州課

2025年05月26日

チリ中央銀行は5月19日、2025年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率は前年同期比2.3%だったと発表した。2%前後という事前の市場の予測を上回った。

需要項目別に見ると、前年同期比10.7%増を記録した輸出の寄与が大きい(添付資料表1参照)。主にサクランボ、ブドウなどの果物と、銅や金、リチウムなどの鉱物輸出が増加するとともに、観光関連のサービス輸出も増加した。民間消費は1.8%増だった。特に耐久財の消費増が顕著で、10.9%増を記録した。政府消費は3.1%増で、主に健康関連の支出増によるものだった。総固定資本形成は1.4%増、設備投資は主に輸送機器への投資増によって5.3%増を記録したが、建設(0.6%減)が振るわず、相殺されたかたちとなった。

経済活動別では、商業(前年同期比7.1%増)、製造業(5.2%増)、個人サービス(3.6%増)、農林業(5.2%増)が主にGDPの成長に寄与した(添付資料表2参照)。商業は、トラックを中心とした自動車販売や、輸出用の果物などの食品の卸売り、Eコマースなどの増加によって好調だった。一方で、主要産業の鉱業は、停電や品位低下、悪天候、メンテナンスの影響を受けて、主に銅生産が振るわず、全体ではマイナス1.0%成長だった。

中銀は3月に公表した金融政策レポート(IPoM)で、2025年のGDP成長率を1.75~2.75%と予測している。一方で、第1四半期のGDP成長率を受けた主なエコノミストたちの予測は2.0~2.5%となっている。

(佐藤輝美)

(チリ)

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