韓国銀行が基準金利を2.50%に引き下げ、経済低迷の歯止め図る
(韓国)
ソウル発
2025年05月30日
韓国銀行(中央銀行)は5月29日、金融通貨委員会を開催し、基準金利を現行の年2.75%から0.25ポイント引き下げ、2.50%にすると発表した(2025年4月21日記事参照)。同行が利下げに踏み切るのは、利下げに転じた2024年10月以降で4回目。
韓国銀行は利下げの理由について、「物価(注1)が落ち着きつつある一方で、内需回復の遅れと輸出の減速により経済成長率(注2)が大幅に低下している。そのため、基準金利を引き下げ、景気の底上げを図ることが適切と判断した」としている。
今回の利下げについて、通信社「聯合ニュース」(5月29日)は、「十分な財政政策が伴わなければ景気浮揚効果は小さく、不動産に資金が集中して住宅価格だけが上昇する」「米国との金利差拡大が海外投資家の資金流出を誘発する恐れがある」と懸念を報じている。
金融通貨委員会は今後、経済成長率と物価上昇率の動きに注意を払いながら、金融システムの安定に留意して金融政策を運用するとしている。
(注1)2025年4月の消費者物価指数は前年同月比2.1%上昇(2025年5月9日記事参照)。
(注2)韓国銀行は、5月29日に発表した経済展望で、2025年の韓国の実質GDP成長率を0.8%と予測している。
(橋本泰成)
(韓国)
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