任天堂、サンフランシスコに米国2店舗目の直営店開業

(米国、日本)

サンフランシスコ発

2025年05月23日

任天堂は515日、米国サンフランシスコ中心部のユニオンスクエアに、直営店舗「ニンテンドー・サンフランシスコ」をオープンした。場所は老舗ホテルのウェスティン・セントフランシス内に位置し、2フロア、広さ約836平方メートルだ。米国での直営店では、2005年開業のニューヨークのロックフェラー店に続く2店舗目となる。

任天堂米国法人のダグ・バウザー社長兼最高執行責任者(COO)は「活気のある地域コミュニティーが広がり、観光地としての魅力もある場所」を探していたと述べ、数年にわたる西海岸での候補地選定の末に、サンフランシスコを選んだと説明した(「SFクロニクル」515日)。

写真 (左)店舗前で行列に並ぶ来店者、(右)店内で買い物を楽しむ来店者(ともにジェトロ撮影)

(左)店舗前で行列に並ぶ来店者、(右)店内で買い物を楽しむ来店者(ともにジェトロ撮影)

6月5日に発売予定の次世代ゲーム機「スイッチ2」は同店舗でも扱われる予定だ。また、同店で取り扱う商品の半数以上は、ニューヨーク店で取り扱いのない限定商品で構成しており、「Nintendo SAN FRANCISCO」のロゴが入った水筒やパーカーなど8種類の店舗限定アイテムも展開している。

店内は任天堂の人気キャラクターごとにセクション分けし、内装はブランドカラーの赤と白で統一している。中でも来場者の関心を集めていたのは、地下フロアに設置された約4.3メートルの大型スクーンで、マリオカートのマルチプレーが体験できる。

開店日の来店予約は受付開始直後に満席となり、同店への高い関心がうかがえた。マリオやゼルダなどのキャラクターに扮(ふん)して来店する人も見られ、「任天堂、マリオ、ゼルダ、ピクミンが大好き。これは行くしかないと思った」という声が聞かれた(NBCベイエリア5月15日)。ジェトロがヒアリングした別の来店者は「ゲームに詳しくはないが、キャラクターの多さとかわいさに魅了された」と語った。店内では、家族や友人に携帯電話で店内を見せながら、買い物を楽しむ姿も見られ、幅広い年代の来店者でにぎわっていた。

新型コロナウイルス禍後、小売店舗の閉鎖が相次いでいるサンフランシスコ中心部で、同店は注目度の高い新規出店となった。NBCベイエリアによると、近隣のレストラン関係者も「街が活気を取り戻しつつあり、任天堂はその大きな一翼を担うだろう」と期待を寄せている。開店初日の来店者数は数百人規模に上り、来店予約したにもかかわらず行列になっていたほか、遠方から飛行機で駆け付けたファンもいたという。店舗のPJ・サドラー・シニアマネジャーは「初日の反応は期待以上。われわれの理想が全て実現した」と語った(NBCベイエリア5月15日)。

(松井美樹)

(米国、日本)

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