中国、メーデー連休期間の旅行者数が3億人超え、国内観光市場は堅調に成長

(中国)

上海発

2025年05月13日

中国文化観光部は5月6日、2025年のメーデー連休期間(5月1~5日)の国内旅行者数が前年同期比6.4%増の延べ3億1,400万人だったと発表した。また、国内観光収入は8.0%増の1,802億6,900万元(約3兆6,053億8,000万円、1元=約20円)となり、中国国内観光市場は堅調な回復と成長を遂げた(2024年5月13日記事参照)。

交通運輸部によると、同期間中の省などの地域をまたいだ人の移動は延べ14億6,700万人(1日当たり延べ2億9,300万人)に達し、前年同期比8.0%増となった。うち、自動車道路(一般・高速道路を含む)を利用して移動した人数は、延べ13億4,500万人で最も大きな割合を占めた。このほか、鉄道、航空、水運の旅客輸送量はそれぞれ延べ1億人超、1,114万人、870万人だった。

各省の文化観光庁も、同期間の旅行者数など関連指標を発表している。旅行者数や観光収入が前年同期に比べ大幅に増加した地域をみると、湖南省では、同期間の旅行者数が前年同期比47.7%増の延べ2,732万人となり、観光収入が56.6%増の231億9,900万元で大幅増となった。このほか、広東省では、旅行者数が18.7%増の延べ4,608万人、観光収入が20.3%増の295億元だった。江蘇省では、旅行者数が15.6%増の延べ3,533万人、観光収入が14.8%増の162億7,200万元、黒竜江省では、旅行者数が14.8%増の延べ1,723万人、観光収入が15.9%増の130億8,000万元だった。

同期間における観光消費の特徴として、各省・地域による消費の活性化に向けた新たな取り組みのほか、自然体験や文化の探求を重視した「多様化する価値の提供」「深度旅行(注)」「斬新な体験」などが挙げられる。例として、四川省に所在する青城山では登山アシスト用の装着型ロボットやドローンを活用した輸送サービスを導入したほか、江蘇省では人工知能(AI)技術を活用して交通の混雑を避けるよう誘導するなど、スマートサービスの提供により観光客に斬新な体験をもたらした。

また、「ナイトタイムエコノミー(夜間経済)」推進による新たな観光消費取り込みのため、広西チワン族自治区などの各地方都市で特色あるイベントや施策が行われた。メーデー連休期間中の夜間旅行者数は前年同期比5.2%増の延べ7,595万人と増加した。

(注)自分のペースで時間と体力を消費しつつ、旅行先の空間にある自然や芸術品を楽しむ旅行を指し、旅行先でしか得られない学びや感覚の体験などが重視されている。

(龐婷婷)

(中国)

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