エジプト最大のスタートアップイベント開催、アジアやアフリカにも広がり

エジプトの大エジプト博物館で5月8～10日、エジプト最大のスタートアップイベント「RISEUP SUMMIT」が開催された。5月14日時点で主催者から正式な発表はないが、現地メディアによれば、スタートアップ約350社が出展した。ステージイベントの登壇者はエジプトの政府機関、有力投資家、スタートアップのほか、世界銀行などの国際機関、IBM、マスターカードなどのグローバル企業、米国、欧州、アフリカを拠点とするファンドなど多岐にわたった。日系企業では、Softbank Investment Advisors、Sony Music Middle East、ベンチャーキャピタル（VC）のSunny Side Venture PartnersおよびVerod-Kepple Africa Venturesが登壇した。

12回目の開催となった今回は、エジプトや中東・北アフリカ（MENA）地域のみならず、アフリカ大陸全体や、アジアに着目したセッションが開催され、地理的な多様性が増した。アフリカにおけるスケールアップと投資に関するセッションでは、アフリカで求められるテックはインフラの不足など各市場の根本的な課題を解決するものだと指摘された。現地の課題を見つけるためには、産業構造や生活を深く理解し、足元の課題を直接知ることの重要性が強調された。また、アジアから見たエジプトエコシステムに関するセッションでは、エジプトの魅力として、中東とアフリカの結節点で両方の特徴を持つこと、人口が多いのみならず購買力を持ち消費市場が大きいこと、先進国水準のデジタルリテラシーがあることが挙げられた。

（塩川裕子）