2024年のフランスゲーム市場、過去2番目に高い56億ユーロを達成
(フランス)
パリ発
2025年04月03日
フランスのビデオゲーム業界団体SELLは3月27日、2024年のフランスゲーム市場レポート(フランス語)を公表した。5年連続で55億ユーロの水準を超え、新型コロナ禍前の2019年比で14%増となり、過去2番目に高い水準である56億7,700万ユーロを達成した。
前年比では5.8%減となった。前年比減の要因は、コロナ禍による半導体不足の影響を受けたコンソールハードウエアの品薄問題が解消し9.2%増を記録した2023年の反動減であると分析されている。デバイス別では、家庭用ゲーム機などコンソール関連(ハードウエア、ソフトウエアの両方を含む)が25億5,400万ユーロで市場シェアの45%を占めたが、前年比では金額ベースで18.9%減(市場シェアでは7ポイント減)となった。モバイル向けソフトウエアは同8.2%増の16億400万ユーロ(同28%)、PC関連(ハードウエア、ソフトウエアの両方を含む)は同9.1%増の15億1,900万ユーロ(同27%)となった。コンソールはハードウエアの品薄解消と優れたソフトウエアラインアップにより2023年に72%増加していたため、反動減となった。
PCを含めた複数のプラットフォーム(デバイス)でプレーできるクロスプラットフォームプレーに対応したソフトが多くみられる。コンソールの種別を問わない売上上位ソフト(パッケージおよびデジタルの合算)の1位はサッカーゲームのEA Sports FC25で約9,486万ユーロ。戦闘ゲームのコールオブデューティーブラックオプス6(約6,703万ユーロ)、ドラゴンボールSparking!ZERO(約2,719万ユーロ)が続いた。購入されるソフトのジャンルは、アクションが約530万ユニットと圧倒的に多く、アドベンチャー、スポーツがほぼ同数の約280万ユニットとなった。PCゲームの売上上位ソフトの1位はコールオブデューティーブラックオプス6で約1,349万ユーロ。EA Sports FC25(約598万ユーロ)、ヘルダイバー2(約410万ユーロ)が続いた。モバイルゲームは無料アプリの課金サービスが15億8,000万ユーロと全体の99%を占めるが、課金サービスへの支出は大きく、無料アプリ1位のMONOPOLY GO!(モノポリーゴー!)は1億426万ユーロとなった。2024年リリースのPokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)は7位で約2,995万ユーロだった。
コンソールとPCを合わせたソフトの販売をゲームパブリッシャー別にみると、金額ベースではエレクトロニック・アーツ、任天堂、アクティビジョン・ブリザード、ソニー・インタラクティブエンタテインメント、ユービーアイソフトとなり、数量ベースではエレクトロニック・アーツ、任天堂、ユービーアイソフト、テイクツー・インタラクティブ、アクティビジョン・ブリザードとなった。
フランスのゲーム人口は約3,800万人であり、うち75%が少なくとも週1回ゲームをしている。世代別に見ると、10~17歳は95%、18歳以上は年齢が高くなるにつれてゲーム人口比率は低くなる。複数人でゲームを楽しむ人も多く、59%がオンラインやローカルで他のユーザーとのゲームを体験している。ゲームを通じた友達作りも見られるなど、ゲームが社会的な交流ツールとなっていることがうかがわれる。
(坂本紀代美、キャロリーヌ・アルテュス)
(フランス)
ビジネス短信 fdcd3b33d8cbadab