湖北省は武漢市を中心に水素エネルギー産業の発展を推進
(中国)
武漢発
2025年04月28日
中国の湖北省武漢市は4月16日、水素エネルギー産業の質の高い発展に向けた座談会を開催した。同市は、水素エネルギー産業連盟を設立すること、および「武漢市水素エネルギー産業発展3年行動プラン」を発表した。
現在、武漢市では武漢経済開発区を中心に、青山区を水素の都、東湖ハイテク区と東西湖区を水素エネルギー産業発展の両翼として位置づけている。すでに70余りの水素エネルギー重点企業と研究所が集積しており、一定規模以上の企業を30社育成、水素エネルギー産業の市場規模は100億元(約2,000億円、1元=約20円)近くに達している。
同市では2024年8月16日、武漢水素エネルギー科学技術産業パーク計画の発表と政策推進会議が開催された。推進会議において武漢経済開発区の責任者は、2030年までに、同パーク内に水素燃料電池車(FCV)を3,000台投入し、営業総収入を500億元、投資規模を100億元以上にするとした。そのほか、水素エネルギー関連企業を30社誘致し、同関連企業のうち3社を上場させ、新たに水素ステーションを5カ所建設すると述べた。同時に、水素エネルギーの製造、貯蔵、運搬、充填(じゅうてん)、利用などの全産業サプライチェーンのエコシステムを構築し、水素産業エネルギーの総合競争力で全国トップクラスを目指すとしていた。
武漢市を省都とする湖北省では2024年11月8日、「湖北省水素エネルギー産業発展行動プラン(2024~2027年)」が公布されている。同プランでは武漢市を中核として、湖北省の水素エネルギー産業のレイアウトを形成するとしている。2027年までの目標として、FCVの普及台数が7,000台を突破することを掲げている(2024年11月18日記事参照)。
中国全体でみると、FCVの生産販売台数は2025年に入っても伸び悩んでいるが(2025年4月18日記事参照)、湖北省をはじめとする各地方レベルでは、水素エネルギー産業の発展計画や推進計画が発表されており、導入に向けた動きは続く見込みだ。
(高橋大輔)
(中国)
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