ドイツの宇宙スタートアップ、初めて欧州大陸から小型試験ロケットを打ち上げ
(ドイツ)
ミュンヘン発
2025年04月07日
ドイツ・ミュンヘン近郊の宇宙スタートアップのイザール・エアロスペース(Isar Aerospace)は3月30日、小型試験ロケット(マイクロランチャー)を打ち上げたと発表した。今回の打ち上げはノルウェー北部のアンドーヤ島で実施され、ロシアを除く欧州大陸からの初めての打ち上げとなった。
イザール・エアロスペースが打ち上げたのは全長28メートルの小型宇宙ロケット「スペクトラム(Spectrum)」で、3月30日午後0時30分(CEST:中央ヨーロッパ夏時間)に発射、約30秒間上昇した後に傾きはじめ、制御された状態で海に落下した。同社は、事前に今回の試験飛行の目的は飛行データ収集や飛行中断システム検証としていた。
同社のダニエル・メッツラー最高経営責任者は、「今回の初めての打ち上げは全ての期待に応え、大成功だった」「今回の結果を受け、われわれは自信を持って2度目の飛行に臨むことができる」とコメントした。同社は2度目と3度目の試験飛行のためのロケットを既に生産中で、今回収集したデータに基づいて改善する。ロケットに必要なほぼ全ての部品の開発、生産、試験は自社で行っている。将来的には、ドイツ南部のミュンヘン近郊に新しく建設中の本社において、年間に最大40機のマイクロランチャーの生産を計画している。
ロベルト・ハーベック連邦経済・気候保護相は「今日はドイツの宇宙航空分野における競争力のための道しるべになる」とのコメントを寄せた。また、「妨げなく宇宙にアクセスできることは戦略的に重要。宇宙に到達できる者だけが宇宙を利用できる」と強調した。
(クラウディア・トーディ)
(ドイツ)
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