西部陸海新通道の1~3月の輸送貨物量、前年同期比68.2%増
(中国)
成都発
2025年04月21日
中国重慶市政府の口岸物流弁公室は4月7日、中国鉄路南寧局集団から得た情報として、2025年1~3月の西部陸海新通道(注)の輸送貨物量は前年同期比68.2%増の34万5,200TEU(1TEUは20フィートコンテナ換算)となったと発表した。同路線を利用して中国から中東に向けて、主に自動車が輸出されているほか、東南アジアから中国へのココナツ、コメなどの輸入も行われている。また、同口岸物流弁公室の4月15日付の発表によると、重慶市の2025年1~3月の西部陸海新通道の輸送貨物量は前年同期比28%増の6万4,000TEUとなり、輸送(貿易)額は26%増の115億8,700万元(約2,201億5,300万円、1元=約19円)に達した。
4月15日には重慶市で同西部陸海新通道の工作会議が開かれ、同通道の優位性の発揮や、物流ハブ産業園区の建設、物流インフラ、システム改善の取り組み、物流サービスの国際化、物流のデジタル化などをさらに推進するとした。また、重慶市共産党委員会の袁家軍書記は、同市が中国西部地域を基盤として、中国と東南アジア、中国と世界各国との連携に重要な役割を果たすとの目標を掲げ、西部陸海新通道の建設をさらに推進していくと強調した。
西部陸海新通道は重慶市をはじめ、中国西部地域と東南アジアをつなぐ物流網だ。2019年に重慶市から広西チワン族自治区を経由して東南アジアに至るルートの運行が開始された。さらに、2021年12月に中国ラオス鉄道が開通したことを受け、同路線の重慶市から雲南省を経由して東南アジアに至るルートの運行も始まった。ジェトロが3月に陸海新通道運営の関係者にヒアリングしたところ、中国西部地域の多くの都市が現在、重慶市を経由して東南アジアと接続しており、中国ラオス鉄道の運行開始で、中国西部地域から東南アジア主要国への輸送時間が大幅に短縮されたという。
陸海新通道運営の展示スペース(ジェトロ撮影)
重慶国際物流ハブ(ジェトロ撮影)
(王植一)
(中国)
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