マーティン・アイルランド首相、米関税措置に対し遺憾表明、交渉による解決模索
(アイルランド、米国)
ロンドン発
2025年04月09日
アイルランドのミホール・マーティン首相は4月2日、米国のドナルド・トランプ大統領が同日に発表した関税措置(2025年4月3日記事参照)について声明を公表した。米国がアイルランドを含むEU加盟国からの輸入に対し20%の関税の賦課を決定したことについて、非常に遺憾とし他のEU加盟国と対応を検討するとした。マーティン氏は声明において、米国の関税への対応は相応(proportionate)かつ企業、労働者、人々の利益を守ることを目的としたものであるべきとし、交渉が唯一の理にかなった対応だとした。その上で、アイルランドにとっての優先事項は国内の雇用と経済の保護と位置付けた。
同国のサイモン・ハリス副首相兼外相は4月7日、ルクセンブルクで行われたEU貿易相会合に出席し、米国への対応について協議。会合に先立ちハリス氏は、貿易戦争はどの国にとっても得にはならないとして、米国との対話と交渉を継続するべきとコメントしている。
同国の産業団体Ibecは、米国による関税措置について「非常に残念」とし、アイルランド政府および欧州委員会に対して、米国との交渉に基づく早急な解決を求めた。今回の関税はアイルランドの純輸出に対し一定の影響を及ぼすとしつつも、現在のアイルランド経済の底堅さを踏まえると、関税に伴う影響は緩和可能と分析。その上で、アイルランド政府に対しては、関税の影響を大きく受ける産業への支援を行うことが最も重要とした。
食品・飲料業界からは懸念の声が上がっている。アイルランド農業協会(IFA)は声明で、相対的に低い関税が適用されているニュージーランドや英国の事業者に対する競争力の低下を指摘。アイリッシュウイスキー協会も、米国の関税により多くの不確実性が生まれたとし、米国で販売されるウイスキーの価格および国内ウイスキー生産者への影響を分析しているとした(アイルランド放送協会「RTEニュース」4月5日)。
一方、懸念されていた医薬品に対する関税措置については、今回の発表では盛り込まれなかった。アイルランドの2024年の米国向けの輸出額は約732億ユーロで同国の輸出額の3割強を占めており、そのうちの約6割が医薬品となっている。
(山田恭之、尾関康之)
(アイルランド、米国)
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