華晨とTCLの合弁企業、瀋陽市でスマートコックピット工場の建設開始へ

(中国)

大連発

2025年04月09日

中国遼寧省の瀋陽市大東区政府は3月28日、華晨中国自動車(華晨自動車)傘下の瀋陽金杯自動車工業とTCL恒時天瑞投資(寧波、TCL寧波)の合弁会社(注1)がスマートコックピット(注2)の工場を同区に建設すると発表した。同工場の設立については、2024年12月に成約され、3月27日に着工した。投資総額は14億元(約280億円、1元=約20円)で、複数の生産ラインを建設する。

同工場では、国内外の自動車工場向けに、車載ディスプレー製品や、スマートコックピット、自動運転のドメインコントローラーなどの自動車用電子製品を生産する計画で、稼働後5年間で売り上げを100億元以上にすることを目標に掲げている。

華晨自動車は2020年に自社ブランド車の販売不振により、破産と会社更生手続きによる経営再建を余儀なくされたが、スマートコックピットなどの開発を継続してきた。今回のTCL寧波との合弁は、華晨グループとして再編後の初のプロジェクトとして、長期的かつ持続的成長を目指している。

TCL寧波の親会社はディスプレーメーカーのTCL実業で、、スマートカーのソリューション事業で、ドイツのメルセデス・ベンツや、奇瑞汽車(Chery)、金杯などの国内外ブランドメーカーと協業している。大東区政府の発表によると、TCL集団は今回の合弁によって初めて中国東北地域へ進出することとなった。

(注1)両社は各50%の権益を保有し、総投資額14億元(約280億円、1元=約20円)のうち、7億元は金杯が現金出資し、残りの7億元はTCL寧波が一部を現金、一部を資産による現物出資で賄う。

(注2)自動車の操作全般がデジタル化された運転席周りの空間。

(李穎)

(中国)

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