米移民税関捜査局、1,000人以上の不法労働者の逮捕を発表、企業には100万ドルの罰金を提案
(米国)
ニューヨーク発
2025年04月22日
米国移民税関捜査局(ICE)は4月15日、第2次トランプ政権が1月20日に発足して以降、労働許可なく不法に就労していた者を1,000人以上逮捕したと発表した。また、同局の米国国土安全保障捜査部(HSI)は不法移民を雇用した企業の責任を追及するとしている。
HSIのロバート・ハマー事務次長代理は「HSI史上最多の逮捕件数だ」と述べた上で、「1,200社以上から事業記録を押収しており、捜査の一環として100万ドル近い罰金を提案した」「不法労働者を不正に雇用する企業は、米国民に害を及ぼしている。ICEの法定業務には、米国人の保護と移民に関連する400以上の法律の執行が含まれている」と述べた。なお、雇用主に対しては、ICEのプログラム「IMAGE」を使用することで、就労許可のない者の採用などがなくなり、企業は採用慣行を強化し、確実に法令順守できるとしている。国土安全保障省(DHS)によると、1986年11月6日以降に不法移民を雇用または再契約した場合、不法であることを知りながら故意に雇用したとみなし、罰金を科すことができる。
ICEは各地の連邦法執行局と協力し、不法移民の逮捕を実行している。例えば、ニューヨーク(NY)州バッファロー地区では、米国税関・国境警備局(CBP)バッファロー支部、アルコール・タバコ・火器・爆発物NY支部、米国連邦保安局バッファロー支部、米国移民局(USCIS)、国務省外交保安局、NY西部・北部地区連邦検事局とともに、3月24~28日にNYで133人の不法移民を逮捕したと発表した。職場に関連するものでは4件の捜査令状が執行された。また、特定の外国人を雇用し、かくまったとして、連邦移民法違反で18人を行政逮捕した。
そのほか、トランプ政権は4月15日に、不法滞在外国人による社会保障給付の取得を防止する大統領覚書を発表した。司法長官、労働長官、保健福祉長官、DHS長官、社会保障省総監、同省監察長官に宛てたもので、社会保障法プログラムから資金を受け取る資格のない外国人が不正に受給しないよう、措置を講ずることなどを指示している。
(吉田奈津絵)
(米国)
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