シンガポール、ブータンと炭素クレジット協力実施協定に署名
(シンガポール、ブータン)
シンガポール発
2025年03月03日
シンガポール貿易産業省(MTI)は2月28日、ブータンとカーボンクレジット(炭素クレジット)協力に関する実施協定に署名したと発表した(MTIプレスリリース)。実施協定は、パリ協定第6条に沿った炭素緩和プロジェクトから創出された炭素クレジット移転のための枠組みを確立する。炭素クレジットプロジェクトの認可プロセスなどは追って発表される。
シンガポールでは、「国際炭素クレジット(ICC)フレームワーク」に基づいて、炭素税の課税対象企業は2024年1月から、課税対象の排出量の一部をICCと相殺できるようになった(2024年6月6日付地域・分析レポート参照)。実施協定に基づくICCプロジェクトから創出されたICCを、適格基準に従って相殺対象とすることができる。
シンガポールとブータンは2023年5月、炭素クレジットに関する覚書(MOU)を交わしたと発表。調整カーボンクレジットの国際移転枠組みを定めた法的拘束力のある2国間協定締結に向けて取り組むことに合意していた(2023年5月22日記事参照)。
シンガポールにとってブータンとの実施協定は、ガーナ、パプアニューギニアに続く3例目。シンガポールはこれらのほか、パラグアイ、ペルー、ベトナムとの間では、実施協定交渉を実質的に妥結している。また、その他の一部の国との間で、パリ協定第6条に沿った炭素クレジットに協力する覚書(MOU)に署名し実施協定締結に向けた取り組みを進めているほか、より広範な炭素市場構想で協力するためのMOUを交わしている(2024年11月26日記事参照)。
(朝倉啓介)
(シンガポール、ブータン)
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