トヨタ、四川省で水素燃料電池の合弁会社を設立
(中国)
成都発
2025年04月28日
トヨタ汽車(中国)投資は4月15日、四川省の国営企業である蜀道投資集団(以下、蜀道集団)、四川蜀道装備科技(以下、蜀道装備)と合弁会社の設立に関する協定を締結した。3社は成都市青白江区において、水素燃料電池の研究開発、生産、販売拠点を新設し、共同出資で「蜀道豊田氫能科技」(Shudao Toyota Hydrogen Energy Technology)を設立する。同拠点の敷地面積は約1万平方メートルで、出資比率はトヨタが50%、蜀道装備が45%、蜀道集団が5%。トヨタは今回の合弁会社の設立により、中国西南地域での水素燃料の基地を構築するとした上で、中国のカーボンニュートラルの達成に貢献していくとした。
現地メディアの報道によると、今回の合弁会社の水素燃料電池の商業化について、初期段階では四川省に生産拠点を置く中国重汽集団成都王牌商用車(以下、重汽成商)の水素燃料電池商用車に製品が使用されるという。さらに、蜀道集団の関連企業での利用を展開し、同合弁会社の水素燃料電池商用車の実用化に積極的に取り組んでいくとしている(「成都日報」4月18日)。
四川省政府は4月14日、「四川省新エネルギー産業サプライチェーン強靭(きょうじん)化工作方案(2025~2027年)」を公布した。同方案は2027年に向け、太陽光、風力発電、水素エネルギーを重点として、四川省における新エネルギーの発展を推進する。そのうち、水素エネルギー産業について、水素資源の不足、水素インフラ開発の遅れ、利用率の低さや応用シーンの少なさなどの問題解決に重点的に取り組むことが示された。その上で、研究開発と応用を加速させ、水素燃料電池スタック、水素コンプレッサー、水素鉄道の開発に取り組み、水素サプライチェーンを形成するとしている。
(王植一)
(中国)
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