エクアドル大統領選の決選投票、現職のノボア氏勝利、親米路線継続

(エクアドル、米国)

調査部米州課

2025年04月16日

エクアドル大統領選挙の決選投票が4月13日実施され、右派で現職のダニエル・ノボア大統領が再選した。決選投票は、1回目の投票で得票率上位だったノボア大統領と左派のルイサ・ゴンサレス候補の間で実施され、得票率は開票率99%の時点で、ノボア大統領55.6%、ゴンサレス候補44.4%だった。

ノボア大統領は、任期途中で辞任したギジェルモ・ラッソ前大統領の任期を引き継ぐかたちで、2023年11月に同国史上最年少の35歳で大統領に就任した(2023年10月18日記事参照)。ノボア政権1期目では、治安の悪化や経済の低迷、多額の公的債務などの問題に見舞われた。2期目にこれらの問題にどのように対処していくのかが注目される。

また、もともと親米路線を敷いてきたノボア大統領の勝利により、エクアドルの米国とのさらなる近接化が予想される。まず治安対策について、ノボア大統領は米国の支援を求めており、ドナルド・トランプ大統領との会談で米軍基地の受け入れを提案している。そのためには憲法改正が必要だが、憲法改正法案は既に議会で審議中で、ノボア政権2期目で基地受け入れを実現させる可能性がある。また、以前から関心を示していた米国との自由貿易協定(FTA)も、米国による追加関税の関係で締結の必要性が高まっており、可能性を模索していくことになるだろう。

(佐藤輝美)

(エクアドル、米国)

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