半導体研究機関imec、自動車用チップ技術開発でドイツに研究所開設を発表

(ベルギー、ドイツ)

ブリュッセル発

2025年04月08日

ベルギーのナノエレクトロニクスと、デジタル技術分野の世界的な研究機関imec(アイメック、本部:ルーバン)は3月31日、ドイツ南西部のバーデン・ビュルテンベルク州政府と共同で、同州に研究所〔アドバンスド・チップ・デザイン・アクセラレーター(ACDA)〕を新設すると発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。imecが2024年10月に設立した自動車業界向けのチップレット技術の共同研究プログラム(ACP)の一環として、最先端のチップレットやパッケージング、システムインテグレーション、センシング、エッジAI(人工知能)技術を開発する。

同州は、フランスやスイスと国境を接し、ポルシェやメルセデス・ベンツが本社を構えている。チップレットは、特殊な機能を実行するために設計されたモジュール型チップで、消費電力や開発期間、費用を抑えながら、カスタマイズやアップグレードが可能だ。従来のチップ技術からチップレットベースに移行しつつある車載技術に対応し、自動運転や車内体験の向上といった機能を強化する。ACDAは、国内外の自動車産業に自動車用チップレット導入のリスクを軽減し、導入の加速を促す。欧州委員会が自動車部門の競争力強化策(2025年3月13日記事参照)で立ち上げた「欧州コネクテッド・自動運転車アライアンス」にも貢献する。

ACDAは同州のチップ設計戦略の一環として、同州から5年間で4,000万ユーロの資金を受け、ハイルブロン市にあるAIイノベーションパーク(IPAI)内に設置される。同州はフラウンホーファー研究所が率いるチップレット技術に関する研究に500万ユーロの追加支援を実施し、チップ・エコシステムも支援する。

(大中登紀子)

(ベルギー、ドイツ)

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