欧州中央銀行、6会合連続で政策金利0.25ポイント引き下げ決定

(EU、ユーロ圏)

デュッセルドルフ発

2025年04月18日

欧州中央銀行(ECB)は4月17日、ドイツ・フランクフルトで開催した政策理事会で、3つの主要政策金利をそれぞれ0.25ポイント引き下げることを発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。これに伴い、4月23日以降、預金金利は2.25%、政策金利(主要リファイナンス・オペ金利)は2.40%、限界貸出ファシリティー金利(オーバーナイト貸し出し、翌日返済)は2.65%に引き下げられる。今回で2024年9月の会合以降6会合連続の利下げとなるが、今会合での決定も今後のインフレの見通し、現時点でのインフレの動向、ならびに金融政策の効果についての最新の評価に基づいたものとしている。

インフレ率は順調に安定化へ向かっており、全体的なインフレ率もエネルギー・食品を除いたコアインフレ率も減少傾向を維持、サービス産業分野でのインフレ率も過去数カ月間で顕著に緩和された。ユーロ圏の中期目標であるインフレ率2%に収束すべく順調に進んでいるとした。

一方、リスク要因として、ユーロ圏は世界的な経済ショックに対する回復力を高めてきたものの、貿易摩擦の激化による経済の成長見通しの悪化を挙げた。貿易上の不確実性の増大により輸出が減退し、また不安定な市場の反応は金融環境の引き締めにつながるため、企業や家計がリスク回避姿勢の高まりから投資と消費意欲を低下させる要因となり得る。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻や中東での紛争などの地政学的な緊張も、依然としてユーロ圏経済の不安材料となっているとした。

ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁は記者会見で、米国新政権による関税措置の「負の需要ショック」はユーロ圏の経済成長に影響を及ぼす可能性はあるとしながらも、為替や物価下落などの全体的な影響は時間が経てば明らかになるだろうと述べた。

次回の金融政策に関する理事会は6月4~5日に予定されている。

(マリナ・プタキドウ、櫻澤健吾)

(EU、ユーロ圏)

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