上海市、日系企業とビジネス環境改善に向けた円卓会議を開催

(中国)

上海発

2025年04月01日

中国上海市で3月10日、上海自由貿易試験区内の臨港新エリアのホテルにおいて、在上海日系企業と華源・上海市政府副市長との円卓会議外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが開催された。同会議は上海市政府により、上海市に進出している外資系企業が抱える生産や経営などの具体的な課題を解決し、持続的なビジネス環境整備を目的として毎年、国別で開催されており、2025年初の国別会議となった。また、1月に除幕された中小企業向け国際産業パーク(2025年1月16日記事参照)の企業誘致・宣伝も兼ねて、会議の前に同パークの視察も行った。

今回の会議では、50社近くの在上海日系企業が参加し、ジェトロを含む11社・団体が会議で発言した。同会議では華源副市長より、上海市のビジネス環境整備行動方案8.0バージョンに伴う(2025年2月1日記事参照)、グローバルで質の高いビジネス環境整備に向けた措置などが紹介された。日系企業からは、新規プロジェクトのビジネス環境評価に係る所要時間の短縮、商業用土地使用権の延長、アニメ・コミック産業の発展支援、空港の発着枠の配分などについて提案を行い、上海市の関連部門からそれぞれに回答があった。また、新エネルギー車(物流輸送車)に特化した支援策の策定、税務手続きの利便性向上、化粧品電子ラベル制度の導入などに関する課題などについて言及した。

ほかにも、華源副市長は、2024年上海市の域内総生産額(GRP)は約5億4,000万元(約113億4,000万円、1元=約21円)に達し、ロンドンを超え世界5位になったと紹介。日本企業による投資額は上海市全体の7%を占めたことから、多くの日系企業が上海市において社会貢献を実現していると述べた。その後、上海市浦東新区の東方ハブ国際商務合作区の建設の推進状況(2024年11月25日記事参照)や、上海市の今後の発展のための重点分野などを紹介した。

ジェトロと在上海日本総領事館、上海日本商工クラブは2013年以降、在上海日系企業の提言や要望事項をまとめた「上海市のビジネス環境改善に向けた建議書」を上海市政府に共同で提出してきた。上海市政府は毎年、建議書の各項目の解決に向けて積極的に各種対応を行っている。

(佐川将平、陸姿音)

(中国)

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