ミャンマー人の高度人材の送り出しを制限

(ミャンマー)

調査部アジア大洋州課

2025年04月28日

ジェトロが在ミャンマー日本大使館(以下、大使館)に確認したところ(2025年4月24日時点)、ミャンマーでは2025年1月31日に労働相が交代して以降、ミャンマー人労働者の海外への送り出しの見直しが行われ、スマートカード(OWIC:Overseas Worker Identification Card)の発給が停止したという。

スマートカードとは、1999年の外国雇用法においてミャンマー労働省が、ミャンマー人が海外へ労働のために出国する際の携行を定めたものであり、空港などで出国の際に提示が求められる。

こうした中、2025年3月23日のミャンマー政府の発表によれば、人材の送り出し機関を通じた日本向けの送り出し手続きについて、3月25日以降、1つの送り出し機関の1カ月あたり送り出し可能な上限人数が15人になった。

しかし、3月28日のマンダレー付近を震源とする大地震により、首都ネピドーでも労働省を含め官庁の建物に被害が出ていて、政府の業務が停滞している。そのため、現時点(本稿執筆時点)では、2025年1月末以前の申請分に対するスマートカードの発給も遅れているという。

これらの状況を踏まえ、ミャンマー人の高度人材の受け入れを予定していた日本企業は、予定どおりの来日とならない可能性が高く、いましばらく待つ必要があるとみられる。

(アジア大洋州課)

(ミャンマー)

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