アジア太平洋眼科学会がニューデリーで開催
(インド)
ニューデリー発
2025年04月21日
インドの首都ニューデリーで4月3~6日、第40回アジア太平洋眼科学会(APAO2025)が開催された。同時開催された展示会はアジア太平洋眼科学会(APAO)が主催し、毎年アジア各国で開かれているもので、今回は第83回全インド眼科学会(AIOS)と併催された。
会場では、最新技術を導入した手術用顕微鏡や前眼部から後眼部まで網羅するスリットランプなどの検査機器、白内障の治療用眼内交換レンズなどの製品が展示されたほか、眼科疾患の治癒経過・治験結果などのパネル展示も併せて行われた。専門眼科医師や病院関係者、医学生が来場し実物機器に触れ性能を確認したほか、出展担当者の説明に耳を傾けた。
日本からは、眼科医療機器メーカーで手術用顕微鏡などの製造販売を手掛けるタカギセイコー(本社:長野県中野市)、ナイツ(本社:東京都千代田区)などが出展しており、来場者へメード・イン・ジャパンの高品質と自社設計の光学性能の良さを強調していた。
タカギセイコーの出展ブースで機器に触れる来場者ら(ジェトロ撮影)
タカギセイコーの担当者は、「インドは農業をはじめとする第1次産業従事者など日中屋外で作業を行う人が多く、緯度が低いため日照時間も長く紫外線の影響を受けやすい。また、高齢になるにつれて、生活習慣などの影響から網膜剥離や緑内障など、最悪の場合は失明するケースも多く報告されている。人間が得られる情報の約8割は目から入ってくるといわれており、目は生活の質を左右する大切な器官である。これからは、目の健康と治療を支える検査機器の技術進歩が求められている」と語った(4月5日ヒアリング)。
インドの人口は、14億人を超えて世界1位になったと推計されている。今後の経済成長に伴い所得水準が向上し、自分の健康に気を配る富裕層や中間所得層が増えるため、ウエルネスを支える医療市場は成長余地が大きく(2025年4月3日記事参照)、これからのビジネスチャンスとして注目されている。
(淺羽英樹)
(インド)
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