スイス外相訪日、大阪・関西万博のスイス・ナショナルデーで対話と協力の重要性を強調
(スイス、日本)
ジュネーブ発
2025年04月24日
スイスのイグナツィオ・カシス外相は、4月22日から24日にかけて日本を公式訪問した。スイス外務省は公式訪問について、25日までの中国訪問とあわせて、アジアの2大パートナー国との政治的関係強化と、スイスの経済的利益の促進が目的だと発表している。最初の訪問地である日本は、スイスにとって、特に貿易、研究・イノベーション分野において、アジアにおける長年の戦略的パートナー国だとしている。
カシス外相は4月22日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博2025)の「スイス・ナショナルデー」の式典に出席し、地政学的緊張が高まり、歴史の転換点であることを感じる今、対話と協力がこれまで以上に重要で、「大阪万博」はこの精神を体現するものだと強調、スイスと日本が160年以上にわたり、相互尊重と共通の価値に根ざした強固な信頼の絆を築いてきたと述べた。その上で、日本がスイスにとって科学技術分野におけるアジア初のパートナー国であり、両国の70以上の大学間提携が特に産学連携において、両国の緊密な協力関係を反映しているとした。大阪には、スイスと日本の科学分野での交流と促進を担う在大阪科学領事館SWISSNEXが設置されており、「大阪万博」スイス館のパートナーになっているほか、スイスの大学、スタートアップ、産業界、クリエーターと日本の地域関係パートナーをつなぐダイナミックなハブだとした。また、ハイジを公式マスコットとするスイス館は、「ハイジと共に、テクノロジーの頂きへ」をテーマに、人間拡張(Augmented Human)、生命(Life)、地球(Planet)の3つの主要テーマを通じて、イノベーション、人間の幸福、持続可能性というメッセージを、スイスの魅力として発信していくことを説明した。
なお、スイスは万博ナショナルデーに、ファッションと映像を融合させた没入型パフォーマンス「私はハイジです」を開催した。スイス文化の時代を超えた象徴として、ハイジを現代的にアレンジしたものだと説明している。
スイス・ナショナルデーのファッションと映像のパフォーマンス(ジェトロ撮影)
また、カシス外相は4月23日、岩屋毅外相と会談し、大阪・関西万博を通じた多角的な関係強化や、科学技術分野を含めた両国のさらなる関係促進、ウクライナ情勢や北朝鮮問題を含む東アジア情勢などについて意見交換した。
(田中晋)
(スイス、日本)