中国中部地域各省では対外貿易企業の関税影響に対する支援に向けた動き

(中国)

武漢発

2025年04月15日

中国の湖北省商務庁は4月12日、「国際的な経済情勢の変化により、影響を受ける対外貿易企業への支援活動に関する通知」を発表した。同庁の通知では、受注量の減少、コストの上昇、物流の障害など、影響を受ける対外貿易企業が直面している問題に焦点を当てる。そのため現地視察、各種の措置、資源のマッチング、政策の導入などを通じて、企業にとっての市場の安定化、チャンネルの円滑化、構造の最適化を支援し、湖北省の対外貿易の質の高い発展を促進するとしている。具体的には次の点を重要任務としている。

  1. 比較的大きな影響を受ける重点産業の企業に対して、定期的な訪問を行い、受注、通関、物流などの困難な課題に対して、解決に向けた調整などを行う。
  2. 「1企業1政策」のリストを制定し、個々の企業の受注、市場代替、サプライチェーン調整などの要求に対応する。
  3. 国際市場開拓の多角化を図る。各企業を組織化して、海外市場進出拡大がしやすくなるよう積極的にサポートするほか、中国輸出入商品交易会(広州交易会)などの国内の国際展示会を利用し、潜在的な輸出企業の展示会出展を支援する。
  4. 輸出事業の国内販売への転換を実施。輸出製品の国内販売ルートを構築し、電子商取引プラットフォーム(ECサイト)、ショッピングモール、スーパーマーケットなどとのマッチングを行い、消費財の買い替え政策の支援範囲に含める。
  5. デジタル化による海外展開を加速する。越境ECプラットフォームと共同でオンラインプロモーションを実施するほか、企業の越境ECプラットフォーム参入を支援し、販路を拡大し、ブランドの国際競争力を高める。

具体的な作業として、湖北省内各市の商務局などは、各地企業の実情を勘案し、具体的なサービス計画を制定し、影響を受ける企業の困難と問題を深く理解し、提言や支援措置を4月18日までに湖北省商務庁に送付するとしている。

湖南省商務庁も4月11日、「対外貿易企業の困難を緩和し、信頼強化を支援するために訪問する」ことに関する通知を発表した。具体的な作業として、湖南省内各市の商務局に対して、各地の実情を勘案し、具体的なサービス計画を制定するために、企業への訪問計画を4月15日までに湖南省商務庁外国貿易課に送付するとしている。

また、江西省では4月10日、江西省商務庁の猶𬎆庁長が重点対外貿易企業など11社と座談会を行った。企業側は経営状況を説明し、外部環境の具体的な変化に対する具体的な措置、提言などを行った。

(高橋大輔)

(中国)

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