3月の自動車販売・生産台数ともにプラス成長、新エネ車普及促進策への期待高まる
(中国)
上海発
2025年04月18日
中国自動車工業協会(CAAM)は4月11日、2025年3月の自動車販売台数が前年同月比8.2%増の291万5,000台、生産台数が11.9%増の300万6,000台だったと発表した。前月比ではそれぞれ37.0%増、42.9%増だった。また、販売台数のうち国内販売台数は前年同月比で9.9%増、輸出台数は1.0%増となった(添付資料図参照)。
販売台数の内訳は、乗用車が246万8,000台(前年同月比10.4%増)、商用車が44万7,000台(2.4%減)だった。うち、新エネルギー車(NEV)は123万7,000台(40.1%増)と好調で、自動車販売台数全体に占める割合は42.4%となった。NEVの販売台数の内訳をみると、バッテリー式電気自動車(BEV)は80万6,000台(42.5%増)と、7カ月連続で2桁の伸び率を記録した。プラグインハイブリッド車(PHEV)は43万1,000台(35.8%増)だった。
2025年1~3月の販売台数は747万台(前年同期比11.2%増)、生産台数は756万1,000台(14.5%増)となった。販売台数の内訳をみると、乗用車が641万9,000台(12.9%増)、商用車が105万1,000台(1.8%増)だった。NEVは307万5,000台(47.1%増)で、自動車販売台数全体に占める割合は41.2%と4割以上を占めた。
また、1~3月の自動車輸出台数は142万台(前年同期比7.3%増)だった。輸出台数の内訳は、乗用車が117万8,000台(6.1%増)、商用車が24万2,000台(13.1%増)。ガソリン車は97万8,000台で3.7%減だったが、NEVは43.9%増の44万1,000台だった。
2025年1~3月乗用車の販売台数について、国別にみると、中国ブランドが前年同期比28.8%増の436万9,000台となった。これにより中国ブランドのシェアは68.1%を占め、2024年通年(65.2%)から2.9ポイント上昇した。外資系ブランドのシェアでは、ドイツ系が13.7%、日系が9.7%、米国系が5.7%、韓国系が1.7%だった。
中国政府は、さらなるNEVの普及促進に向けた施策を発表している。農村地域でNEV充電・電池交換の設備が不足している問題を解決するため、財務部、工業情報化部などの政府部門は2月20日、「県エリア充換電設備の不足解消試行実施に関する通知」を発表した。同通知では、75の県でNEVの充電・電池交換が行える公共施設の設立などの措置を試行するとしている。また、中国の国家発展改革委員会と国家能源局などは4月2日、NEVと電力網接続の課題を解決するため、NEVと電力網の接続の大規模化・応用の試行リストを発表している(2025年4月14日記事参照)。
(龐婷婷)
(中国)
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