瀋陽~カザフスタン~ウズベキスタンの越境道路輸送ルートが運用開始
(中国、カザフスタン、ウズベキスタン)
大連発
2025年04月11日
中国遼寧省の瀋陽市を出発し、カザフスタンを経由してウズベキスタンに至る越境道路輸送ルートがこの度、運用開始となった。2台のTIR(注)冷凍トラックが4月7日、同省の企業が生産したアイスクリームを20トン載せて瀋陽市のTIR集積センターを出発した。新疆ウイグル自治区イリ・カザフ自治州タルバガタイ地区チョチェク市で通関後、カザフスタンを経て、出発から8~10日後にはウズベキスタンの首都タシケントに到着する予定となっている。
瀋陽市のTIR集積センターは2024年12月27日に設立され、中国で4番目、東北地域では初めて国際道路輸送連盟(IRU)に承認された。同センターから輸出される品目は機械設備、自動車部品、オフィス用品および食品などで、主にカザフスタンなど中央アジアへ輸送する。
TIRシステムは、国連に承認された越境貨物輸送通関システムだ。従来の道路輸送に比べ、TIR輸送はトラックの乗り換えや積み替えが不要で、直接輸送が可能になるため、輸送時間の大幅な短縮と物流コストの削減につながる。新鮮な果物やアイスクリームなどのコールドチェーン製品にとって、TIRの越境輸送は効率的かつ安定的で、最適な選択肢となりうる。同TIR集積センターは今後も、中央アジア向けの路線をさらに開拓していきたいとしている。
(注)国際道路運送システム(TIR)は、1949年に国際道路輸送連盟(IRU)によって設立された国際道路運送に関する国連条約(TIR条約)に基づいて確立された、物品輸送のための国際通関制度。TIR証明書があれば、承認された車両はTIR実施国間の税関を簡易に通過できる。
(李穎)
(中国、カザフスタン、ウズベキスタン)
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