ムハンマド皇太子とモディ首相が会談、2国間経済関係のさらなる強化に合意

(サウジアラビア、インド)

リヤド発

2025年04月30日

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相は4月22日、インドのナレンドラ・モディ首相と公式会談を行った。4月23日付サウジアラビア国営通信(SPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、両者は2国間関係の状況を確認し、さまざまな分野で同関係を強化・発展させる方策について議論した。首脳会談後、2023年9月に創設されたサウジ・インド戦略的パートナーシップ協議会の第2回会合が開催され、ムハンマド皇太子とモディ首相は共同議長を務めた。

会合終了後に発表された共同声明〔4月23日付サウジアラビア国営通信(SPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕によると、両首脳は、両国関係の強固な基盤が防衛や安全保障、エネルギー、貿易、投資、技術、農業、文化、保健、教育、人的交流など多様な分野を網羅する戦略的パートナーシップを通じて、さらに強化されたことに合意した。

協議会の主な成果は次のとおり。

  • 協議会を拡大し、防衛協力と観光・文化を含む4つの閣僚委員会を新たに設置。
  • 地球規模の課題での共同行動の重要性を認識し、G20、IMF、世界銀行などの国際機関やフォーラムでの協力と連携を強化。
  • サウジアラビアに居住する約270万人のインド国民への継続的な福祉に対し、インドがサウジアラビアに謝意を表明。
  • 相互投資促進を目的とするハイレベルタスクフォースでの議論の進展に満足の意を表明し、具体的成果として2カ所の製油所建設計画を発表。また、投資協定の交渉を早期に完了することに合意。インド側は公共投資基金(PIF)がインドデスクを設置したことを評価。
  • 世界の石油市場の安定を高め、エネルギー市場のダイナミクスのバランスをとるために協力することに合意。
  • インドがサウジアラビアの2番目の貿易相手国、サウジアラビアがインドの5番目の貿易相手国であることを踏まえ、貿易の多様化に向け、協力をさらに強化することで合意し、インドと湾岸協力会議(GCC)間の自由貿易協定(FTA)交渉開始への希望をあらためて表明。
  • インド・中東・欧州経済回廊(IMEC)について、インフラ整備による物品・サービスの流通拡大や、関係者間の貿易促進、データ連結性、電力網の相互接続性の向上など同回廊実現に向けた相互のコミットメントを表明。

(秋山士郎)

(サウジアラビア、インド)

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