タンソンニャット国際空港、第3ターミナルが開業
(ベトナム)
ホーチミン発
2025年04月25日
ベトナム南部ホーチミン市で4月19日、タンソンニャット国際空港に新設した第3ターミナルの開業式が開催され、ファン・ミン・チン首相ら政府関係者が出席した。同ターミナルは2022年12月に着工し(2022年12月28日記事参照)、4月30日のベトナム戦争の南部解放・南北統一50周年の記念日に合わせて、全面運用を開始する予定だ。
第3ターミナル建設プロジェクトの総投資額は約11兆ドン(約605億円、1ドン=約0.0055円)。同ターミナルの総床面積は11万2,500平方メートルで、5階建てで設計されている。年間2,000万人の収容能力を有し、ピーク時には7,000人の旅客対応が可能で、国内最大の国内線旅客ターミナルになる。同空港では従来、国内線用の第1ターミナルと国際線用の第2ターミナルがあるが、設計上の年間収容能力が2,800万~3,000万人なのに対し、実際は年間4,000万人を超えていたため、過負荷状態にあった。今回の新設により、国内線の約80%を収容し、同空港全体の年間収容能力は5,000万人に達する。
第3ターミナルでは、ベトナム航空とベトジェットエアの国内線を取り扱い、第1ターミナルではバンブーエアウェイズ、ベトラベル航空、パシフィック航空、ベトナムエアサービス(VASCO)の国内線を引き続き扱う。また、VNeID(注)を使用した顔認証による搭乗手続きも、第3ターミナルで新たに導入した(VNエクスプレス4月17日、「ラオ・ドン」紙4月19日)。
一方、ホーチミン市に隣接するドンナイ省では、ロンタイン国際空港が2026年前半の開業を目指して建設中だ。同空港の建設プロジェクトは第1期から第3期に分けられ、第1期では年間2,500万人の乗客と120万トンの貨物を受け入れ、そのうち70~80%が国際線と想定されている。ベトナム南部の主要国際空港の役割はロンタイン国際空港に移行する計画となっており、同国際空港での運用が始まり次第、タンソンニャット国際空港は国内線が主体となる予定だ(「カフェF」4月15日)。
(注)VNeIDとは、ベトナム公安省が開発したスマートフォンアプリによる電子身分証明書のこと。
(新田和葉)
(ベトナム)
ビジネス短信 8c67ff96c9c551fc