アンドラ・プラデシュ州、スタートアップ支援に本腰

(インド)

チェンナイ発

2025年04月09日

インド南部のアンドラ・プラデシュ(AP)州がスタートアップ支援に本腰を入れている。AP州は3月24日、「アンドラ・プラデシュ州イノベーション・スタートアップ政策4.0PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表した。同政策では、2024年度(2024年4月~2025年3月)から2029年度までの間で州内のスタートアップ企業数2万社の達成と、関連した10万人の雇用創出、ユニコーン企業(企業価値10億ドル以上で未上場)10社、スーニコーン企業(近年中にユニコーンになることが見込まれる企業)20社の創出などを目指す。

現在、インド商工省産業国内取引促進局(DPIIT)に登録されている国内のスタートアップ企業は約15万社だが、AP州では2,400社(同州が認識するスタートアップ数では6,600社)にとどまる。AP州のスタートアップの内訳は、ITサービス分野が27%と最も多く、農業分野(16%)、ヘルスケア・生命科学分野(14%)が続く。AP州は、DPIITが発表する「スタートアップ州別ランキング2024」の人口1,000万人以上、5,000万人未満の州・連邦直轄地でトップとなっており、そのポテンシャルが期待される。

政策実現に向け、同州の新首都アマラバティに、起業家育成に尽力した大手財閥タタ・グループ元会長の名を冠した「ラタン・タタ・イノベーション・ハブ」を設置する方針で、ナラ・チャンドラバブ・ナイドゥ同州首相は4月2日、産業界や学術界に向けて、設立の支援を呼びかけた。同イノベーションハブは、スタートアップ企業へのメンタリングや、資金調達、スキルトレーニングなどを提供する予定だ。同ハブには、タタ・グループが支援を行うほか、インド最大の建設・総合エンジニアリング会社のラーセン・アンド・トゥブロ(L&T)、鉄鋼大手JSWグループ、新興財閥アダニ・グループなどが協力する見込みとされる(「タイムズ・オブ・インディア」紙など4月2日)。

(山下純輝)

(インド)

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