台湾貿易投資センターが福岡に開所、チェコに続き世界2カ所目

(日本、台湾、チェコ)

福岡発

2025年04月22日

台湾企業の日本進出を支援する役割を担う台湾貿易投資センターの開所式が4月21日、福岡市博多区のホテルで行われた。同センターは2024年12月にチェコの首都プラハに設置されており、福岡が世界で2カ所目となる。同センターは台湾貿易センター(TAITRA)福岡事務所の機能を拡充するかたちで、福岡商工会議所ビル内に拠点を構える。

開所式では、台湾経済部の江文若政務次長のあいさつの後、甘利明・自民党元幹事長が登壇し、「台湾貿易投資センターは、ジェトロの台湾版であるTAITRAのアップデート版と認識している。半導体のサプライチェーンは一国で完結は困難だが、経済安全保障の観点から、基本的価値を共有する国々と構築することが重要だ。今回のセンター開所により、技術や投資の面で日台間の協力が進むことを期待する」などと述べた。田中和徳衆議院議員は、2024年の台湾からの訪日客数が604万人に上ったことを例に、「日本と台湾はウィンウィンの関係を築けるようになってきている」と語った。福岡県や佐賀県、鹿児島県の各知事もあいさつし、服部誠太郎・福岡県知事は福岡半導体リスキリングセンターや三次元半導体研究センターの存在に言及しつつ、台湾からのさらなる投資に期待を示した。

写真 開所式で鏡開き(ジェトロ撮影)

開所式で鏡開き(ジェトロ撮影)

半導体受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が2024年12月に運営子会社のジャパン・アドバンスト・セミコンダクター・マニュファクチャリング(Japan Advanced Semiconductor Manufacturing:JASM)の熊本第1工場で量産を開始しており(2025年1月6日記事参照)、隣接する敷地に第2工場の建設を計画する中、台湾からのさらなる投資拡大が見込まれる。

九州経済調査協会が2024年12月に更新した推計値によると、半導体関連の設備投資やそれに伴う生産活動により、2021~2030年に九州・沖縄・山口地域にもたらされる経済波及効果は23兆300億円になるとみられている(2025年1月6日記事参照)。

(片岡一生)

(日本、台湾、チェコ)

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