タイ政府、ブータンとのFTAに署名、2026年1月発効へ

(タイ、ブータン)

バンコク発

2025年04月23日

タイ商務省は4月3日、ブータンとの自由貿易協定(FTA)に署名したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。バンコクで行われた署名式には両国首相立ち会いの下、タイ側はピチャイ・ナリプタパン商務相、ブータン側はナムギャル・ドルジ産業・商業・雇用相が署名した。タイにとって17番目のFTAで、物品貿易、つまり関税の引き下げのみを対象としている。

タイ・ブータンFTAは2024年5月に交渉開始が公表され(2024年5月30日記事参照)、2025年2月の4回目の交渉会合で妥結した。交渉開始から妥結まで9カ月、署名まで1年に満たない短期間でFTAが実現した。

タイ・ブータンFTAが発効すれば、ブータン側はほぼ全てのタイ製品に対して、輸入関税を撤廃する。関税撤廃の恩恵を受けるタイ産の主要製品には、自動車・同部品、農産物、食品、繊維・衣料品、化学・ゴム・プラスチック製品、電気機器が含まれる。一方、タイはブータンからの輸入に対して、貿易額ベースで94%相当の輸入関税を撤廃し、ブータン産のジャガイモや緑茶、ジャム・ゼリーなどで恩恵が期待される。タイ政府は1億2,000万ドル相当の輸出先としてブータンに期待を寄せている。

今後はFTAの発効に向けて、商務省による公聴会を経て、議会承認を得た後、2026年1月1日の発効を目指すとしている。

(藪恭兵)

(タイ、ブータン)

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