豊田通商「NTTFトレーニングセンター」の3期生・4期生が卒業

(インド)

アーメダバード発

2025年04月16日

インド西部グジャラート(GJ)州のマンダル日本企業専用工業団地に入居する豊田通商インディアの子会社、豊通バーラト・インテグレーテッド・サービシズ(TOYOTSU BHARAT INTEGRATED SERVICESTBIS)44日、人材育成機関「Toyota Tsusho NTTF Training CentreTNTC)」の第3期生と第4期生の卒業式が開催された。TNCT20189月に開校し、日本の経済産業省から「日本式ものづくり学校」(注)の認定を受けている。3年制のLearnEarnプログラムのカリキュラムを通じて、インドの若者に日本式の労働倫理や技能を直接指導し、製造現場のリーダー候補を育成することが目的だ(2023年1月23日付地域・分析レポート参照)。

今回卒業式に参加した第3期生(20241月卒業)と第4期生(20248月卒業)は、グジャラート州立工科大学(GTU)と連携して単位を付与するディプロマ・コースを修了した最初の卒業生だ。3期生は7人、4期生は14人が修了し、マンダル日本企業専用工業団地の入居企業を含む8社の日系企業に就職が決まった。卒業式に参加した豊田通商インドの八廣展明(やひろ・のぶあき)取締役社長は「3年間のプログラムを乗り越えた卒業生を誇りに思う」と祝辞を述べた。

写真 卒業式の様子(ジェトロ撮影)

卒業式の様子(ジェトロ撮影)

GJ州進出日系企業の間では、同州でのマネジャークラスの現地人材の採用が難しいほか、他州に比べてもワーカーのソフトスキルが低いことが課題となっている。自動車や半導体産業を中心とした製造業の集積が進むGJ州で、製造現場の中核人材の育成や獲得の重要性が一層高まっていきそうだ。

(注)「日本式ものづくり学校」(JIM:Japan-India Institute for Manufacturing)は、日本とインド両政府のイニシアチブによるインド製造業の人材教育プロジェクト。実践を通じた製造業のスキルを身に付けることや、「5S」(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)や「カイゼン」など、日本のもの作りに関する大事な考え方を学ぶことで、将来、製造現場リーダーになる人材の育成を目指している。

(飯田覚)

(インド)

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