ペルー通商観光相と米国USTRグリア代表、継続的な協議の場を設けることで合意

(ペルー、米国)

リマ発

2025年04月24日

ペルーのウルスラ・レオン通商観光相は4月22日、米国通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表と米国ワシントンで会談した。2009年に発効したペルー・米国自由貿易協定(FTA)によって築かれた両国の貿易関係の戦略的な意義を確認するとともに、今後、実務者レベルで技術的な協議を継続的に行うことで合意した。米国のドナルド・トランプ大統領が4月2日に関税政策を発表後(2025年4月3日記事参照)、ペルーの閣僚による米国政府高官との会談はこれが2度目となる(2025年4月10日記事参照)。

通商観光省(MINCETUR)のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、今後の協議ではサプライチェーンの安全性、デジタル経済、貿易の円滑化、重要産業とインフラへの投資について短期間で議論する。レオン通商観光相は、実務者レベルの協議の場を設けた狙いについて、技術的で率直な対話を行うことで、両国の通商関係を強化するための現実的で持続可能な方法を見いだすためと説明した。

レオン通商観光相の米国訪問を承認した4月16日付大統領決議070-2025-PCM外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、渡航目的について、USTRが公表した2025年版外国貿易障壁報告書(NTE)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)のペルーに関する指摘事項について米国側の意図を明らかにするとともに、米国の関税政策に対するペルー政府の立場を説明するためとしていた。他方、専門家は、関税政策への交渉材料としてNTEの指摘事項に正面から取り組むことは現実的ではないと指摘していた(2025年4月10日記事参照)。

今回の会談で、デジタル経済や投資などNTEの指摘事項よりも幅広いテーマについて、継続的に協議する場を確保できたことは、ペルー側にとって大きな収穫とみられる。MINCETURのプレスリリースでは「幸先の良い会談」と自ら評価した。

(石田達也)

(ペルー、米国)

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