2024年の経済成長率はマイナスに

(ミャンマー)

調査部アジア大洋州課

2025年04月24日

IMFは4月22日、「世界経済見通し2025年4月外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、報告書)の中で、ミャンマーの2024年の経済成長率についてマイナス1.12%と発表した。2024年10月時点の見通しはプラス1.02%で、大きく下回った。

前回の予想を下回った原因としては、2024年6月以降に内戦が激化し、8月に少数民族武装勢力によって、中部シャン州のラショ―市の国軍司令部が陥落するなど、大きな混乱が生じたことがある。また、同年9月にはミャンマーを大型の台風11号が直撃し、200人以上が死亡、30万人近い避難者という大きな被害が出ていた。

ミャンマー経済の成長率は、2010年代に年平均約7%を維持していた。2020年以降は、新型コロナ禍や政変(2021年)の影響でマイナス成長が続いたが、2023年にプラス(2.6%)に戻っていた。しかし、IMFの報告書は、脆弱(ぜいじゃく)な経済基盤が自然災害や不安定な社会・経済情勢、内戦の影響を大きく受けたとした。同報告書では2025年、2026年も2%前後の経済成長を見込んでいる。しかし、2025年3月28日にマンダレー近郊で発生した地震の影響を踏まえると、楽観的な見通しだ。

ミャンマーのインフレ率は、2024年10月のIMF報告書では22.0%としていたが、今回は26.5%と上方修正されている。2025年以降についても、2024年10月時点では2025年が14.2%、2026年が9.8%と低下する予測だったが、今回は2025年が30%と上昇し、2026年も20%と高い水準を見込んでいる。震災の影響を踏まえると、物価上昇が継続するとみられる。

(アジア大洋州課)

(ミャンマー)

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