3月の消費者物価指数、前年同月比で4.9%上昇
(チリ)
調査部米州課
2025年04月17日
チリ統計局(INE)は4月8日、3月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前月比0.5%増、前年同月比で4.9%増だったと発表した。
費目別に見ると(添付資料表参照)、前月比で最も上昇率が高かったのは「教育」の4.9%増で、「衣類・靴類」の1.3%増、「食品・飲料(酒類を除く)」と「酒類・たばこ」の1.2%増が続いた。品目については、トマト(22.7%増)、レモン(18.6%増)、オレンジ(10.3%増)といった食品や、スポーツ観戦料(19.5%増)、国内線航空券(16.9%増)の上昇率が特に高かった。
前年同月比では、電気料金の値上げ(2024年12月25日記事参照)による影響が大きかった「住宅・光熱費」が11.0%増で、2桁%増を記録した唯一の費目となった。そのほかには、「レストラン・ホテル」の6.8%増、「保険・金融サービス」の5.7%増、「食品・飲料(酒類を除く)」の5.1%増が目立っている。品目では、電気、国内線航空券、オリーブオイルについては、前年同月比で50%超の極めて高い上昇率を記録した。
過去からの前年同月比CPIの推移を見ると(添付資料図参照)、チリでは2021年、2022年に大きな物価高の波が押し寄せた後、2023年以降のCPI上昇率は年間で4~5%程度となっている。同上昇率については、2016年から2020年にかけては、年間で2~3%程度の増加で安定していたことから、同国でのインフレはここ数年で水準が底上げされていることが分かる。なお、チリでは各種の契約締結を行う際に、現地通貨やドル建てではなく、CPIの変化率に応じて金額調整が加えられるUF(Unidad de Fomentoの略)という指標が用いられることも多く、CPIが国民の生活に及ぼす影響が大きい。
(佐藤竣平)
(チリ)
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