トランプ米大統領の実質支持率、わずかに低下、世論調査

(米国)

調査部米州課

2025年04月17日

米国のドナルド・トランプ大統領が相互関税を発表した(2025年4月3日記事参照)後、株価が急落するなど、経済が混乱する状況がみられた。最近の世論調査では、トランプ氏の実質支持率(支持率と不支持率の差)はわずかに低下した。

経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブは4月17日、トランプ政権の政策などに関する世論調査結果(注1)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによると、トランプ氏支持率は42%で、前週(43%)から1ポイント低下し、実質支持率はマイナス10ポイント(不支持率52%:42-52)と、前週(不支持率51%:43-51)のマイナス8ポイントからさらに低下した。

トランプ氏が株式市場に「責任がある」と68%(非常にある39%、ある程度ある29%)が回答した。支持政党別では民主党支持者の79%、無党派層の64%、共和党支持者の60%が「責任がある」としている。

新しい税制に対する見方では、富裕層の税金が「少な過ぎる」と65%が回答した。中流層、低所得層については「多過ぎる」が59%、53%だった。

ハーバード大学米国政治研究センターとハリス・インサイト・アンド・アナリティクスが4月に実施した世論調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注2)では、トランプ政権の関税政策が引き起こす負の影響で、有権者の間で信憑(しんぴょう)性が高いものとして、上位に挙がった項目は次のとおり。

  • 関税が市場を揺るがす:4月2日の(相互関税の)発表は世界中の株価を暴落させ、投資家が貿易戦争へのパニックに陥ったため、数兆ドルの損失とドル安を引き起こした。(77%)
  • 関税が日常生活のコストを押し上げる:携帯電話や衣類などの生活必需品では、各家庭にとって年間1,900~2,100ドルの追加負担となる可能性がある。(75%)
  • 関税が貿易摩擦を激化させる:中国やカナダなどの国々は独自の関税で報復し、米国の農家やエネルギー企業に数十億ドルの損害を与えている。(75%)
  • 関税がサプライチェーンを混乱させる:米国の工場では部品価格が上昇し、コストが上昇し、遅延が生じる。(75%)
  • 関税がインフレを加速させる:物価が1.7~2.1%上昇し、米国人にとってあらゆる物価が上昇する可能性がある。(75%)
  • 米国人がその代償を払う:関税コストの約60~66%が米国の消費者に打撃を与え、消費者の購買力を失わせることで経済を停滞させる。一方、物価は上昇し続ける。(73%)

(注1)実施時期は4月13~15日、対象者は全米の成人1,512人。

(注2)実施時期は4月9~10日、対象者は全米の登録有権者2,286人。

(松岡智恵子)

(米国)

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