カナダ総選挙に向けて自由党の支持率が保守党を上回る、世論調査
(カナダ、米国)
調査部米州課
2025年04月09日
カナダでは、4月28日に総選挙が予定されている(2025年3月28日記事参照)。最近の総選挙を想定した世論調査では、3月に首相となったマーク・カーニー氏(2025年3月18日記事参照)が率いる自由党の支持率が野党を抑え44%となった。
調査会社レジェ・マーケティングは4月8日、総選挙に関する世論調査結果(注1)を発表した。それによれば、もし今日総選挙が行われれば、どの党に投票するかという問いに対して、自由党の支持率が44%で首位に立った。2位の保守党(37%)を7ポイント上回り、新民主党(8%)、ブロック・ケベコワ(5%)が続いた。
また、米国政府の動向がカナダ総選挙へ与える影響が危惧されており、ドナルド・トランプ大統領が総選挙に間違いなくあるいはおそらく影響を与えようとしていると72%(間違いなく36%、おそらく36%)が回答した。
調査会社アンガスリードが4月に実施した世論調査(注2)によれば、支持率上位の自由党と保守党の党首のいずれが首相に適任かという問いに対して、カーニー氏(自由党)の支持率が50%とピエール・ポワリエーブル氏(28%、保守党)を大きく上回った。いずれでもないという割合は13%だった。年代別では、全ての年代でカーニー氏の支持率がポワリエーブル氏を上回った。
カーニー氏は4月7日、トランプ氏の関税政策は経済の自己破壊行為であり、米国を景気後退に追い込んでいると述べた。「われわれには、米国が導入した関税政策を変えるための戦略がある」としている。カーニー氏は3月にトランプ氏と電話会談し、総選挙後に交渉を開始することで合意したという(ブルームバーグ4月8日)。
(注1)実施時期は2025年4月4~6日。対象者はカナダの成人1,631人。
(注2)実施時期は2025年4月4~7日。対象者はカナダの成人2,184人。
(松岡智恵子)
(カナダ、米国)
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