四川省、経済安定発展を促進する措置を発表

(中国)

成都発

2025年04月11日

中国・四川省政府は4月1日、「経済のさらなる安定発展の促進に関する若干政策措置」を発表した。同措置では、消費回復、企業のコスト削減、企業育成の促進、産業のグレードアップの促進など4つの柱に基づいた21項目から成る。

消費回復に関しては、国内消費の低迷を受けた景気対策の一環として、2025年4月1日から9月30日まで、金融機関が四川省の居住者を対象に自動車、電子製品、家電、家具用品の購入や住宅リフォームを奨励するローンを実施する。同期間に、省政府は小売り、飲食、現地産品に使用範囲が限定された「専用消費券」を発行する。また首発経済(注)の促進策として、四川省でアジア初の店舗を出店する企業に対して最高300万元(約6,000万円、1元=約20円)の奨励金を付与し、中国初の店舗を出店する企業に対して最高100万元の奨励金を付与するなどの促進策が盛り込まれている。このほか、音楽祭、大規模コンサート、文化、観光関連イベントの開催による消費を図ることで、新型消費の発展を促進するとしている。

企業のコスト削減および企業育成の促進については、複数の支援策が打ち出された。具体的には、企業の安定的な雇用確保のため、新卒労働者を正式に雇用し、かつ法律にのっとって社会保険料を納付している企業に対して補助金を支給する。そのほかにも、零細企業の資金調達問題の解決、企業のイノベーション能力の強化、一定条件を満たす中小企業に対する財政支援の提供などの内容も盛り込まれた。さらに、自動車企業の生産と販売促進、建設企業の生産規模拡大についても、奨励金を支給するとした。

(注)「首発経済」は、企業による新製品の発表、新業態・新モデル、新サービス、新技術の導入、店舗の開業などの経済活動を指す。これまでになかった新たな製品やブランドを出店することで、経済を振興させることを目的とする。

(王植一)

(中国)

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