「特許審査ハイウェイ」電気通信分野の申請件数、第2四半期の上限に到達

(ブラジル)

サンパウロ発

2025年04月11日

ブラジル産業財産庁(INPI)は4月3日、国際特許分類H04(電気通信)を主分類とする特許出願の「特許審査ハイウェイ(PPH)」(注)の申請件数が2025年第2四半期の上限の140件に到達したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

2025年のPPHパイロットプロジェクトフェーズVでは、四半期ごとの申請件数の上限を800件(年間合計3,200件)と定めている。電気通信以外の国際特許分類を主分類とする特許出願については、第2四半期の800件の上限に達するまで、引き続きPPHを申請することができる。

電気通信分野は、特許審査の最終決定まで審査請求から平均4.4年(2025年第1四半期審査期間報告書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)より)かかり、バイオ医薬品やバイオテクノロジーと並び、ブラジルにおいて特許審査が長期化している技術分野の1つだ。そのため、2025年第1四半期は、電気通信を主分類とする特許出願の審査処理中の件数を考慮し、これらの特許出願に対するPPH申請を受け付けていなかった。第2四半期以降140件という上限を設けて同分類を主分類とする特許出願のPPH申請の受け付けを開始したものの、4月1日の受け付け開始からわずか3日で上限に到達した。

INPIは、電気通信分野10人を含む40人の特許審査官を2024年に新たに採用するなど、審査期間短縮に向け特許審査体制の強化を図っている。一方、ブラジルにおいて、電気通信分野をはじめとした特許出願の審査期間短縮・早期権利化という出願人のニーズは大きく、INPIの特許審査体制のさらなる強化が期待される。なお、電気通信を含む国際特許分類ごとのPPH申請件数は、四半期ごとに見直され、あらためて通知される。

(注)「特許審査ハイウェイ」〔PPH(Patent Prosecution Highwayの略)〕は、各特許庁間の取り決めに基づき、第1庁(先行庁)で特許可能と判断された発明を有する出願について、出願人の申請により、第2庁(後続庁)で簡易な手続きで早期審査が受けられるようにする枠組み。

(安田勇太)

(ブラジル)

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