トルクメニスタン大統領訪日、ガス開発中心に産業協力が進展
(トルクメニスタン、日本)
タシケント発
2025年04月24日
トルクメニスタンのセルダル・ベルディムハメドフ大統領が、4月13日から15日まで日本を公式訪問した。ベルディムハメドフ大統領の大統領としての日本訪問は今回が初めて。豊富な天然ガスを有するトルクメニスタンのガス開発分野における日本との協力が進展した。
ベルディムハメドフ大統領は、4月15日に開催された日本企業とのビジネスミーティング(主催:ROTOBO、日本トルクメニスタン経済委員会)に参加し、トルクメニスタンでは日本企業が参加する総額110億ドル以上の投資プロジェクトが44件登録されていると述べた。今後の協力に向けた方向性として、a.トルクメニスタンでの機械、電子、工業における日本の製品の導入、b.節水、水処理、グリーンエネルギーに関する日本の技術の導入、c.日本の中小企業の誘致(2024年7月31日付地域・分析レポート参照)に言及した。本会合の場を含め、大統領の訪日期間中、両国企業・組織間で天然ガス加工、エネルギー、都市開発、人材育成などの分野で15件の協力文書が署名された。
特に目立ったのが化学公社トルクメンヒミヤと日本企業との合意だ。同社は、トルクメニスタンにおける主要なガス処理プロジェクトに関する4つの協力文書に調印した。a.川崎重工業、伊藤忠商事、トルコ大手ゼネコンのルネサンスのグループ企業と、アハル州における第2ガス・ツー・ガソリン(GTG)プラント(注)の設計およびターンキー建設に関する協力合意書、b.三菱重工業およびトルコの大手建設企業ギャップ・インシャアトとのバルカン州における年産115万5,000トンの尿素プラントの設計およびターンキー建設に関する協力合意書、c.東洋エンジニアリングおよびルネサンスのグループ企業とのギヤンルダク・ポリマー工場の改修の協力に関する合意書、d.川崎重工業との2024年5月9日付契約に対する追加合意書(トルクメニスタン外務省発表2025年4月16日)。トルクメンヒミヤは、2024年12月にアシガバートで開催された両国の経済合同会議にも参加していた(2024年12月24日記事参照)。
ベルディムハメドフ大統領は訪日中、経済界との会談に加え、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)でナショナルデー式典(4月14日)に参加、天皇陛下と面会し、石破茂首相とも会談した(2025年4月17日記事参照)。
(注)天然ガスを原料としてガソリンを製造するプラント。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(トルクメニスタン、日本)
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