海南省で第5回中国消費博が開催

(中国)

広州発

2025年04月28日

中国商務部と海南省政府が共催の「第5回中国国際消費品博覧会」(以下、消費博)が4月13~18日、海南省海口市で開催された。

今回の展示会は、総面積が16万平方メートルで、71カ国・地域の1,767社および4,209のブランドが出展し、6日間の会期中に前年比10%増となる6万人余りの専門バイヤーが来場した。

今回の消費博の主賓国は英国で、陶磁器や化粧品、サプリメントなどを展示した。そのほか、国別ブースではフランス、カナダ、スイス、韓国などが出展しており、日本企業は三菱商事や大塚製薬などが単独でブースを出展した。主催者によると、日本企業は73社・76ブランドが参加したという。

工芸品や食器類を出展した日本企業は、「昨年も出展したが、今年はより生活に近い商品(日用品)へのお問い合わせが多い」「欧州からのバイヤーの引き合いが増えている」とコメントした。アパレルを出品した日本企業は「去年より来場者が多い」と話す一方、装飾品を出品した日本企業は「高い価格帯の商品が売れにくく、消費力が落ちていると感じる」と感想を述べた。

今回の消費博は、低空経済、健康、養老などをテーマとし、会場内には空飛ぶタクシー(eVTOL)の展示やスキースポーツを体験できるコーナーもあった。

消費博会期初日の4月13日には「外貿優品 中華行」と銘打った、米国の高関税によって影響を受ける中国の輸出商品の国内市場での販売を支援する趣旨とみられるイベントの開始式典も実施された。また、今回は初めて同省三亜市に消費博の分会場が設置され、国際ボート展をテーマに、20余りの国・地域の62社が150艇のクルーザーと潜水設備、マリンスポーツ用品などを出展した。

2024年の海南省の域内総生産(GRP)は前年比3.7%増の7,936億元(約16兆6,656億円、1元=約21円)だが、中国全国の実質GDP成長率(5.0%)を下回っている。また、2024年の離島免税品販売額(注)は29.3%減となった。一方で、貿易総額は20.0%増で、うち輸出は43.5%増と大きな伸びを見せた。対ASEANの貿易額は62.3%増の579億元と、6年連続で第1位の貿易相手国・地域となっている。

写真 第5回消費博の海口主会場の様子(ジェトロ撮影)

第5回消費博の海口主会場の様子(ジェトロ撮影)

写真 第5回消費博の三亜分会場「国際ボート展」の様子(ジェトロ撮影)

第5回消費博の三亜分会場「国際ボート展」の様子(ジェトロ撮影)

写真 日本企業アミューザジャパンの展示ブース(ジェトロ撮影)

日本企業アミューザジャパンの展示ブース(ジェトロ撮影)

(注)中国政府は、2020年7月1日から、海南島(海南省)における離島免税の新たな政策「海南自由貿易港建設総体方案」を施行。それまでの政策と比較すると、1人当たりの免税割当額が年間3万元から10万元と大幅に増額され、離島免税商品の種類も酒類などが追加となり、38種類から45種類へと増加した。

(岡田英治、汪涵芷)

(中国)

ビジネス短信 489d653d3ff5d38b