デザイナーズトイ、若者が牽引する新たな消費トレンド
(中国)
上海発
2025年04月25日
中国共産党機関紙「人民日報」の海外版は4月16日、デザイナーズトイ(注)が若者の新たな消費トレンドとなり、新しいトイカルチャーが急速に成長していると報じた。中国社会科学院財経戦略科学院と中国動画学会が2024年10月に発表した「中国デザイナーズトイとアニメーション産業調査レポート (2024)」では、2026年までにデザイナーズトイの市場規模が年平均で20%以上成長し、1,101億元(約2兆2,020億円、1元=約20円)に達すると予測している。中国企業情報発信サイトを運営する「天眼査」によると、デザイナーズトイ関連企業は現在、全国に5万社以上存在し、2025年には新たに約3,100社が登録されるという。広東省には9,200社以上の企業があり、総数の18.3%を占めている。
デザイナーズトイのトップブランドPOP MART(ポップマート)が3月26日に発表した「2024全年財報」によると、前年比約2.1倍の130億4,000万元の営業利益を達成した。そのうち中国本土の収益は79億7,000万元で、前年比52.3%増、韓国や日本、米国、シンガポールなど23国・地域に進出しており、海外収入は営業利益の40%近くを占めている。
上海市内の商業施設「美罗城」内にあるPOP MART(ジェトロ撮影)
POP MARTの店内(ジェトロ撮影)
POP MARTの人気商品ブラインドボックス(ジェトロ撮影)
4月16日の「人民日報」海外版では、ECプラットフォーム「得物」の担当者によると、玩具分野の消費者は10代後半から30代の若者や大人が中心で、製品の「外観」「プレーアビリティー」「コストパフォーマンス」を重視していると報じた。外観が美しさに合致し、情緒的価値をもたらすことが核心的な購入要因となっているという。
ショッピングモールなどの商業施設では、デザイナーズトイ経済を活用して客を呼び込み、消費を促進している。
ショッピングモールで中国有名IP「黄油小熊(Butter Bear)」のイベントに集まる多くの人(ジェトロ撮影)
(注)デザイナーズトイとは、アート性やデザイン性が高い玩具製品を指す。
(趙姝萍)
(中国)
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