大阪・関西万博でトルクメニスタンが初のナショナルデー、中央アジア・コーカサス各国が特色アピール
(トルクメニスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、アゼルバイジャン、アルメニア)
調査部欧州課
2025年04月17日
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)開幕翌日の4月14日、トルクメニスタンが参加国中で初となるナショナルデー式典を開催した。中央アジア・コーカサス諸国はそれぞれパビリオンを出展し、自国の文化や歴史、万博テーマの「いのち輝く未来社会のデザイン」に即した取り組みを紹介している。
トルクメニスタンの式典には、同国のセルダル・ベルディムハメドフ大統領が出席した。大統領は、2025年が国連総会で同国が主導して宣言された「平和と信頼の年」に当たることに触れ、「(同じ年に開催される)大阪・関西万博は特に重要」と述べた。万博参加が日本とのビジネス機会創出につながることにも期待を寄せた。伊東良孝万博担当相も登壇し、ベルディムハメドフ大統領と父のグルバングル・ベルディムハメドフ人民評議会議長(前大統領)による日本との関係強化の取り組みを評価した。その後、同国の伝統的な民族舞踊「クシト・デプディ」が披露された。
式典で講演するベルディムハメドフ大統領(ジェトロ撮影)
トルクメニスタンのパビリオンのテーマは「より良い明日を作り出す」。同国のスマートシティー「アルカダグ」に関する情報や、洗剤、靴、じゅうたんなどの民生品などが展示されている。
トルクメニスタンのほかに、中央アジア・コーカサス地域で単独館として出展しているのは、ウズベキスタンとアゼルバイジャンだ。ウズベキスタンの展示テーマは「知識の庭」で、イノベーション、教育、クリーンエネルギーの3分野で同国の取り組みを展示している。円筒形の昇降する部屋の中で360度スクリーンに投影される映像は見応えがある。アゼルバイジャンのテーマは「持続可能性への7つの架け橋」だ。同国の豊かな文化を表現し、糸が織り合わされたようなデザインのパビリオン外観が目を引く。
ウズベキスタンのパビリオン外観(ジェトロ撮影)
アゼルバイジャンのパビリオン外観(ジェトロ撮影)
このほか、アルメニア、カザフスタン、キルギス、タジキスタンは他の国・地域と共同で出展する共同館にパビリオンを設置した。アルメニアでは歴史や文化に加え、世界的に評価が高い青少年向けIT教育施設「TUMOセンター」の教育モデルを展示した。展示ガイドによると、この6月に日本初となる同センターの拠点が群馬県高崎市に設置されるという。カザフスタンのパビリオンでは、人工知能(AI)開発や先端医療の取り組みなどを映像や模型で紹介している。キルギスは民族衣装や雄大な自然をアピールし、タジキスタンは同国の山岳地帯で氷河が消失していることを例示し、深刻な気候変動問題を投げかけている。
カザフスタンのパビリオン(ジェトロ撮影)
キルギスのパビリオン(ジェトロ撮影)
タジキスタンのパビリオン(ジェトロ撮影)
トルクメニスタン以外の中央アジア・コーカサス参加国も、6月から9月にかけてナショナルデー式典を開催する予定だ(添付資料表参照)。
(浅元薫哉)
(トルクメニスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、アゼルバイジャン、アルメニア)
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