メルカドリブレの事業拡大、チリ政府は歓迎

(チリ、アルゼンチン)

調査部米州課

2025年04月14日

チリ政府は4月9日、中南米最大級のマーケットプレイスを運営するアルゼンチン企業メルカドリブレによる2025年の投資計画の発表を受け、ガブリエル・ボリッチ大統領が首都圏州内のコリーナ区に所在する同社の物流拠点を訪問した様子をウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます上で伝えた。メルカドリブレの発表内容は、2025年中にチリに対して5億5,000万ドルの投資(前年比18%増)を実行し、それによって900超の新規の正規雇用を創出するというものだ。同社の代表者によると、今回発表の投資は主に、電子商取引(EC)と金融サービスにおける物流、マーケティング、優秀な人材の獲得といった機能を強化することに主眼を置いている。

メルカドリブレは現在まで、チリ国内に650の店舗と12の物流センターを設けており、約3万社の中小零細企業の製品を取り扱っている。4月7日付の現地紙「ラ・テルセラ」によると、同社は4月4日にチリ国内最大のショッピングモールのコスタネラセンターに隣接するオフィススペース内の6つのフロアにまたがる6,000平方メートルの賃貸借契約を締結したとされている。

写真 メルカドリブレが契約締結した首都圏州内の一等地に所在するオフィススペース(ジェトロ撮影)

メルカドリブレが契約締結した首都圏州内の一等地に所在するオフィススペース(ジェトロ撮影)

チリ政府、デジタル化プログラムの成果アピール

メルカドリブレのようなビジネスモデルの振興に関連して、チリ政府は2024年に実施した倉庫業のデジタル化プログラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの成果をアピールした。同プログラムは、倉庫業を営む中小零細企業向けに、機械設備やデジタル機器の調達、デジタル人材の育成に関連した各種の研修受講費用に充てる補助金を拠出するというものだ。チリ政府によると、同プログラムを通じて約400社の中小零細企業に対し、14億ペソ(約2億1,000万円、1ペソ=約0.15円)超の補助金を支給し、それら企業の代表者の7割が女性だったとされている。

(佐藤竣平)

(チリ、アルゼンチン)

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