佐賀県唐津市に台湾の香水メーカー進出
(台湾)
佐賀発
2025年04月09日
台湾で香水を中心とした化粧品などの研究開発・販売を行うオーラムファンシーが日本への進出拠点として、佐賀県唐津市に事務所を設立した。同市に外資系企業が進出するのは初めてで、進出に伴って3月25日に唐津市との進出協定を結んだ。
唐津市は2013年11月から「コスメティック構想」を掲げ、唐津市と玄海町を中心とする佐賀県に、美と健康に関するコスメティック産業を集積させ、コスメに関連する自然由来原料の供給地をつくることに注力してきた。「コスメティック構想」の実現では、佐賀県、唐津市、玄海町、民間企業、大学などが連携して設立した「ジャパン・コスメティックセンター(JCC)」が推進母体となる。こうした産学官連携の下、関連企業の誘致や地域資源を生かした経済活動の活性化、雇用の創出を目指した取り組みを進めている。同市担当者などによると、今回の拠点設立も、同市にはJCCの拠点があって一貫したサポートが受けられることや、コスメ企業への支援や補助金などが充実していることが決め手となったという。
オーラムファンシーの最高経営責任者(CEO)の許智傑氏は日本での拠点設立について、「フレグランスを通じて日本や唐津と世界をつなぐ架け橋になりたい。日本や唐津の雰囲気や空気感をより多くの人に知ってもらうため、良さを発信していきたい」と述べた。今回の拠点設立をサポートしてきたJCC事務局長の藤岡継美氏は同社の進出に関し、「今回、初の外資系企業の進出を機に、唐津市と台湾の企業だけでなく、地域的なつながりや彼らを通じた新しいネットワークに期待したい。これまではインバウンドがメインだった唐津市に投資案件が生まれたことは大きく、産業をステップアップさせていきたい。JCCとしても、地元雇用や具体的な事業支援のノウハウを積み、今後も企業誘致をサポートできる体制を整えていきたい」と強調した。
事務所は同市内の複合施設「KARAE」内のシェアオフィスに設置した。今後は唐津や日本をイメージした香りの商品化や調香体験イベントの開催なども企画している。
進出協定締結式の様子(唐津市提供)
(山本りりな)
(台湾)
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