ハンガリー、首相や閣僚が米国による関税措置に反応

(ハンガリー、米国、EU)

ブダペスト発

2025年04月09日

ドナルド・トランプ米大統領が4月2日、EU産品に20%の関税を課すと発表したこと(2025年4月3日記事参照)に対し、シーヤールトー・ペーテル外務貿易相は翌3日、自身のフェイスブックに投稿し、「昨日の米国大統領による関税賦課の発表を受けて、欧州委員会は交渉すべきだったことが明らかになった!そのための時間は2カ月半あった。彼らは交渉せずに、経済問題を再びイデオロギー問題にすり替えた」とコメントした。同相は、欧州委はトランプ政権と交渉し、米国製の自動車に対する関税を現在の10%から2.5%に引き下げるべきだったとした。

また同日、ナジ・マールトン国家経済相は、ソーシャルメディア上で「ハンガリーは自動車生産エコシステムの構造と発展において高い競争力を有しており、今回の措置によって、西欧からハンガリーへの生産拠点移転を加速・強化し、国内生産のさらなる拡大と新たな雇用創出につながる可能性がある」と述べた。

なお、オルバーン・ビクトル首相は3月8日に開催されたハンガリー商工会議所の年次経済会議の開会式において「ハンガリーと米国は、米国の関税による悪影響を最小限に抑えることができる経済協力パッケージの締結を準備している」と述べている。また、同パッケージに関し、租税条約(注)の再交渉に向けて米国と協議中だと付言した。さらに、その他の要素もパッケージの一部となっており、「関税による損失を相殺できるだろう」とした。ただし、その後、この協議に関する続報は出ていない。

一方、これまでに発表されたアナリストらの反応の多くは、ハンガリー経済はドイツ経済と自動車産業に大きく依存しているため、今回の米国による関税措置は、特に同産業と輸出部門に深刻な影響をもたらすだろうという点で一致している。

(注)ハンガリーと米国間の租税条約は2022年に米国の前政権下で終了し、2024年1月以降は適用されていない。

(バラジ・ラウラ)

(ハンガリー、米国、EU)

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