BYDが最多販売を記録、バンコク国際モーターショー
(タイ)
バンコク発
2025年04月21日
タイ最大級の自動車見本市「第46回バンコク国際モーターショー(BIMS)」が3月26日~4月6日に開催された。BIMSの開催団体の発表によると、約160万人が来場し、乗用車7万7,379台、二輪車2,562台の販売予約を記録した。乗用車の販売予約のうち65%を電気自動車(EV)が占め、中国系EVメーカーの躍進が鮮明となった(添付資料表参照)。
ブランド別の販売予約では、BYDが最多の9,819台を記録し、トヨタが9,615台と続いた。5位までは、広州汽車が手掛けるGAC(7,018台)、長安汽車のDEEPAL(6,067台)、ホンダ(5,948台)という結果になった。
BYDの販売予約を牽引したモデルDOLPHIN(ジェトロ撮影)
前回から販売を伸ばした広州汽車のAION(ジェトロ撮影)
AIONの車内(ジェトロ撮影)
中国EVメーカーの出展が目立ち、華為技術(ファーウェイ)やXPENG(小鵬汽車)の最新技術を搭載したEVを披露・出展するなど、来場者を引きつけた。BYDは販売展示場に加えて、特設ステージ「BYDラボ」も設け、タイで頻発する洪水時でも同ブランドの車両が走行可能なことを示すデモンストレーションを実施した。
ソフトウエアとの連携を強調するファーウェイ製EV(ジェトロ撮影)
搭載タッチパネルで空調の流れが操作可能なXPENGのEV(ジェトロ撮影)
BYDラボでのデモンストレーション(ジェトロ撮影)
乗用車の販売予約は、前回2024年3月(2024年4月15日記事参照)と比べて44.8%増加した。増加の理由について、開催団体グランド・プリックス・インターナショナルのジャチュロント・コモルミス社長兼最高執行責任者(COO)は「新モデルの投入や、50億バーツ(約210億円、1バーツ=約4.2円)相当の政府支援」を指摘した(4月12日付「バンコク・ポスト」紙)。タイ政府は3月、中小企業向けに商用ピックアップトラックの購入支援策を発表している(2025年4月1日記事参照)。支援が奏功し、ピックアップトラックは前回(2,734台)より増え、2,989台の販売予約があった。
二輪車のブランド別予約については、ヤマハが1,286台で1位となり、スズキとロイヤル・エンフィールドが224台、ハーレーダビッドソンが215台という順位だった(注)。
(注)ホンダの予約台数は未公表。
(藪恭兵)
(タイ)
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