米国相互関税による四川省企業への影響は限定的との声も、地元メディアが報じる
(中国、米国)
成都発
2025年04月14日
中国・四川省の大手日刊紙「四川日報」系のニュースサイトである「川観新聞」は4月10日、米国の中国に対する相互関税措置に対する四川省内の上場企業の反応を紹介した。多くの企業は、同措置による影響は限定的だと伝えた。うち、四川省成都市に本拠を構えるリチウム大手の天斉鋰業は、2024年の同社の海外売上比率は8.9%にとどまり、また主要輸出製品の水酸化リチウムの主な供給先は日本や韓国などの正極材メーカーや電池メーカーであるため、足元で米国向けには販売していないとした。
また、四川省綿陽市に本社を置く家電大手の四川長虹電子控股集団は4月8日、同社ウェブサイト上で今回の米国による相互関税措置の影響について声明を公表した。同声明で、同社は「既に世界160カ国・地域に多元的なサプライチェーンを構築しており、欧州および『一帯一路』沿線国での産業体系も整備を進めてきた」と説明。その上で、「米国へ直接輸出を行っている事業の構成比は比較的小さく、企業経営全体に及ぼす影響はコントロール可能な範囲」との見解を示した。
なお、成都税関が3月18日に発表した貿易統計によると、2025年1~2月の四川省の対米貿易額は356億9,000万元(約7,138億円、1元=約20円)で、前年比で42.4%増と大幅に増加した。米国は同省にとり国・地域別でASEANに次ぐ第2位の貿易相手となっている。
(王植一)
(中国、米国)
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