FCVの生産販売台数、2025年に入っても伸び悩む
(中国)
武漢発
2025年04月18日
中国自動車工業協会(CAAM)は4月11日、2025年3月の自動車市場動向を発表した。2025年1~3月の新エネルギー車(NEV)の販売台数は前年同期比47.1%増の307万5,000台となり、新車販売台数に占めるNEVの割合は41.2%となった。NEVのうち、バッテリー式電気自動車(BEV)の販売台数は47.7%増の192万8,000台、プラグインハイブリッド車(PHEV)は46.1%増の114万5,000台と増加した。一方で、燃料電池車(FCV)は20.3%減の1,000台にとどまり、前年同期比減の状況が続いている(添付資料表参照)。
FCVについては、2025年までの目標としてFCVの保有台数を5万台とすることが掲げられているが、厳しい状況にある(2025年1月17日記事参照)。
中国の大手石油化学企業である中国石油化工(シノペック)は3月24日、2024年の業績説明会を行った。説明会において、シノペックの趙東副董事長兼総裁は、同社の水素エネルギーサプライチェーンのレイアウトと商業化について、同社の水素ステーションの全体的な収益性は2024年も改善し続け、現在運営されている水素ステーションの中でも、負荷が高く粗利率の良いステーションが利益を生む可能性があると述べた。しかし、運輸部門においては、FCVの保有台数や実運用台数はまだ比較的少なく、1台あたりの走行距離も短い。今後、FCVの保有台数や運用台数が増加し続ければ、水素ステーションでの充填(じゅうてん)量は徐々に増加する。それに伴い、水素ステーションの建設、運営、コストが低下し続け、水素ステーション事業の収益性の継続的な改善につながると述べた。シノペックは中国全土で142カ所の水素ステーションを建設運営している。
(高橋大輔)
(中国)
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