ナミビア初の女性大統領就任

(ナミビア)

ヨハネスブルク発

2025年04月08日

アフリカ南部のナミビアで3月21日、ネトゥンボ・ナンディ=ンダイトワ大統領が第5代(注)の大統領に就任した。メディア報道によると、就任式は首都ウィントフックの国会議事堂で、同国の35回目の独立記念日式典と同時に行われ、隣国の南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領をはじめ、アフリカ各国の国家元首らが出席した。南アの元大統領タボ・ムベキ氏と、前大統領ジェイコブ・ズマ氏や、ジョイス・バンダ元マラウイ大統領らも出席した。

ンダイトワ大統領は2024年11月の総選挙で約58%の得票率(獲得票数63万8,560票)で勝利したことにより、選出された。同大統領は72歳で初就任だが、1990年から国会議員としてキャリアを築き、前政権では副大統領を務めたほか、さまざまな閣僚職を歴任してきた。同大統領はナミビアで初の女性大統領で、前述のバンダ前大統領や現職のタンザニアのサミア・スルフ・ハッサン大統領らと並び、数少ないアフリカ大陸の女性大統領の1人となった。

報道によると、就任演説でンダイトワ大統領は、前政権下で21人いた閣僚を大臣14人・副大臣7人とし、スリム化した内閣を発表した。また、気候変動などの緊急課題や、良い統治、地域協力に取り組むことを強調した。特に食料生産増加のため、農業への投資を増やすことに焦点を当て、経済の多様化を目指すとした。また、インフラ投資と天然資源の付加価値化の必要性を強調し、より多くの雇用を創出することを目指すとした。

ナミビア統計局(NSA)によると、ナミビアの人口は300万人強と小さく、IMFの推計では、2024年のGDPは約130億ドルだ。一方で、ダイヤモンドや銅、ウランなど豊富な天然資源を有する。NSAのデータで2024年の実質GDP成長率は3.7%だった。近年、日系企業はグリーン水素分野での関心を高めている。

また、3月31日付の現地メディア「The Namibian」によると、ンダイトワ政権は、前政権時に財政難を理由に運航を中止したナミビア航空が2026年末までに運航を再開する予定と発表した。観光が主要産業の1つの同国にとって、航空サービス拡充は経済への好影響となる可能性がある。

(注)同一大統領の2期目以降の政権も含めると9代目。

(トラスト・ムブトゥンガイ、堀内千浪)

(ナミビア)

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